絵本の表紙でどんぐりを美味しそうにほおばっているのは・・・北海道に生息する小さなしまりすです。 彼らの寿命は4年。 夏から冬にかけて、冬を越すためのどんぐりを必死で集めます。 地上には、きつねやふくろうなど天敵がたくさん。それでも1000個のどんぐりを集めなければなりません。途中で捉えられてしまったり、雪が降っても数が足りなくて集め続けるりすもいます。 やっと越せるだけのどんぐりが集まった時、しまりすは冬ごもりのための穴に入ります。 敷きつめた枯れ葉の中で眠り、お腹がすけばどんぐりを食べます。 冬ごもりをしているしまりすは、蓄えたどんぐりがなくなった頃、春がきたのを知るのです。 そうして、またしまりすの新しい一年が始まるのです。
この、北海道の豊かで厳しい自然の中で、賢くたくましく生きるしまりすの生態を描き出しているのは、版画家であり絵本作家である手島圭三郎さん。繊細な描写とダイナミックな画面は見る人の視線を惹きつけてやみません。
春になれば子どもを育て、夏になる頃木の上に引っ越し、夏の終わりには子どもたちは母親から離れ、自分の力で生きていきます。やがて秋になると、どんぐり集めという大切な仕事に入ります。特に飾り立てることなく、現実の自然の世界をそのまま表現している手島さんの作品は、動物が必死で生きる姿は力強く、美しいことを教えてくれます。
手島さんの生命賛歌「いきるよろこび」シリーズ、最新刊です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
北海道に生息する小さなしまりすの寿命は4年です。冬を越すために、きつねやふくろうに襲われながら、必死にどんぐりを集めます。冬ごもりをしているしまりすは、たくわえたどんぐりがなくなった頃、春がきたのを知ります。春がくると、しまりすの新しい一年が始まります。
手島圭三郎の美しい版画に惹かれて選びました。しまりすの厳しい自然界を生きる姿が、躍動感溢れる木版画で描かれています。どんぐりをほうばるしまりすがとても可愛いです。1000個のどんぐりを集めるしまりすの手助けがしたくなりました。 (押し寿司さん 60代・じいじ・ばあば )
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