にわとりかたまごか・・・。 にわとりの黄色の足からはじまるこの絵本。
出版されたのは1969年。 絵本作家のイエラ・マリ、デザイナーのエンゾ・マリご夫妻の 絵本として親しまれている「文字」のない美しい絵本です。 シンプルで潔いその斬新な構図と芸術的な色彩は、 見るものの頭から余計な雑念を一切排除してくれます。 哲学的ともいえるテーマを題材に 「イノチ」のつながりを視覚的に見せることに挑戦した本作品。
大人はいろいろと理屈をつけて考えてしまうものですが そんなに難しいものではないのかもしれません。
絵からよみとる、よみとるというより感じる絵本。 どこからはじめてもぐるぐると「にわとり」が「たまご」をうんで、 「たまご」から「にわとり」がうまれて・・・。 ページをめくるたびに時間が経過していきます。ゆっくりとゆっくりと。 成長していきます。 一周したら、必ず後ろの見開きをみてから表紙をみてください。 きっと何かに気づくはず。
子どもと一緒に読んでみたい絵本です。 一体どんな感想をきかせてくれるのでしょうか。ドキドキします。
(富田直美 絵本ナビ編集部)
にわとりのあしがクローズアップで描かれています。視点の低さに注目したいところです。足の付け根の羽毛には黄色い羽が混ざっています。これが、実はこの絵本のポイントとも言えるのです。‐本書綴じ込み「イエラ・マリとエンゾ・マリの人と作品」より‐
2歳2ヶ月の息子のために図書館で借りました。ストーリーのある絵本を楽しめるようになったばかりでした。
文章がない絵本からどうストーリーを感じるか、試してみたかったのです。
私がはまりました。イエラ・マリさんのファンになりました。にわとりにもひなにもかわいらしさはなく、力強さを感じます。
息子は、ページごとに変化するにわとり(たまご?)を、「なに、これ?」と確認しながら進みます。「たまごが割れたよ」とか、「でてきたね」とか、「どんどん大きくなるね」くらいしか説明の言葉が見つけられないのですが、息子自身が絵から感じ取ってくれたらいいなと思っています。
実家でにわとりを飼っている主人が、感心したように「そうなんだよ・・・」と眺めていました。 (さみはさみさん 30代・ママ 男の子2歳)
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