小さなのはらに住むノラねこ、シキ。 ある日、シキは子ねこを産みます。 可愛い子ねこたちにシキは、ハル、ナツ、アキと名付けます。 そのとき、「ボッカーン」!
ウンチの中から泣きながら飛び出してきたもう1ぴきの子ねこ。 なんだか顔の雰囲気がちょっと違うみたい。でもシキは言います。 「あなたは フユよ。ようこそ フユ」 こうして5ひきの生活は始まったのです。
ママのシキによく似た美人のハル、ナツ、アキはとても働き者。 それに比べてフユは、何をやっても失敗ばかり。 だけどママもおねえちゃんたちも、フユのことをそれはそれは可愛がってくれます。 フユは幸せな毎日の中でどんどん大きくなっていきました。
そんなある日、フユの心に異変が起こります。 自分だけどんどん体が大きくなるばかりでなく、顔のまわりにへんなもじゃもじゃまで生えてきたフユ。 みにくい自分がどんどん嫌いになっていった頃、遠くに大きな体の動物の群れを見つけます。彼らの顔のまわりにはもじゃもじゃがあり・・・。 「あの人たち・・・ぼくに にてる」 なんだか胸のあたりがザワザワするフユ。 やがてフユの中にある考えが浮かんでくるようになり・・・。
小さな子どもたちにもわかりやすく進みながら、でも物語は後半大きく展開していきます。 親子の愛とは、兄弟のきずなとは。相手を思いやる心とは。 大人も子どもも、それぞれの立場から涙を流してしまうかもしれません。
作者はベストセラー『やさしいあくま』の326(ナカムラミツル)さん。ひとりでも多くの子どもたちに、そしてママの元に届くようにと思いを込めて描かれた、現代版「みにくアヒルの子」をお楽しみください。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
ずっと、あいたかった… 涙なしでは読めない家族の愛と絆の物語 20万部突破の大ベストセラー 「やさしいあくま」から15年、 326が描く現代版「みにくいアヒルの子」 初版限定 シール付!
自分だけ家族に似ていないと悩むフユと、そんなフユを愛してやまない家族との物語です。
優しいのが痛い時ってありますよね…
自分が惨めで情けなくてどんどん嫌いになってしまうんですよね…
私も家族に迷惑しかかけていないと苦しんだ時期がありました。
でもそんな時、母は言ってくれました。
「うちには病気の子だっているけど、その子も含め一人一人がちゃんと家族の役に立っているんだよ。」と。
なんだか自分が認められたような気がして嬉しくて、少し救われて。
でもやっぱり自分は駄目だと感じてしまう気持ちはなくならなくて。
自分を認めることの難しさを痛感しました。
ずっと家族の中にいて優しくされて、でもそれじゃ成長はできない。自分が何者かもわからなければフユの悩みはなくならない。
家族から離れて強くなったフユ。体も大きく狩りも上手になったフユ。
でもフユを苦しませていた悩みは、そこがどこでも相手が誰でも同じだったのです。
そうか…フユが鍛えるべきは、心の強さだったんですね
全部が似てなくていいじゃない。優しい心は家族そっくりだもの。
誰かの優しさが苦しいなんて、きっとフユが優しい証拠。
優しいひとは自分のためじゃなく、誰かのために強くなれるの。
それぞれが家族のことを想って悩んで泣いて…
すれ違ったり傷つけたり、家族って本当に面倒くさいものですね(笑)
でもだから向き合えた時、本音が言えた時、家族が大好きだと心から感じた時、自分を大切にして自分を愛してくれる家族を大切にして、やっと本当の家族になれるのだと思いました。 (ねんねこしゃんさん 20代・その他の方 )
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