
ふしぎな生きもの「ぴょこり」の大変身
キャベツの葉っぱの裏がわに、ふしぎな形をしたものがくっついています。アリがちょんちょんとつつくと「ぴょこり」、カメムシがとんとんとたたいても「ぴょこり」と動きます。どうやら生きているようです。雨が降りはじめると虫たちはあわてて逃げていきますが、ぴょこりは葉っぱにはりついたまま、ぴくりともしません。雨がやみ、朝がくると、ぴょこりの背中がぴりっと裂けて何かが出てきました。それは、1匹のチョウでした。

沢山のキャベツが植わった、キャベツ畑。
その中の一つのキャベツの、一枚の葉の裏にくっついた「ぴょこり」。さなぎです。そのさなぎが羽化するまでが、やわらかなタッチで描かれています。
キャベツ畑には沢山の虫が集まり、カラスノエンドウやぺんぺん草も見えます。畑の様子が、見開きのページにギュッと凝縮されていて、クライマックスには小さなスリルもあって、子どもと対話しながら読むのにちょうどよい感じです。
(こはこはくさん 50代・ママ 男の子13歳)
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