こぶたのグーグーはとってもくいしんぼうで、食べても食べてもお腹がペコペコ。
「そうだ! たべものやさんで はたらこう」 ということで、まずは「さんさんさんかく おにぎりやさん」に行くと……、 三角おにぎりのてっぺんを全部かじって、四角おにぎりにしちゃった!
三色だんごのお店で働いても……、 ピンクのおだんごを全部食べて、二色だんごにしちゃった!
こんな風にグーグーは、どこのお店に行っても、売り物をパクリ、パクリ。すぐにお店をクビになってしまいます。
そして最後に出逢った「まんまるまんげつ メロンパンやさん」でも、 やっぱりグーグーは同じことをしてしまうのです。 けれども、メロンパンやのフクロウのおじいさんは、そんなグーグーに、 「そんなに おなかがすいているなら みーんな たべて いいんだよ」 と言います。 それを聞いたグーグーは……。
この絵本の魅力は、まずは何といっても、食べ物が全部、とっても美味しそうなこと! これは、グーグーじゃなくても、つまみ食いしたくなります。 グーグーの気持ち、わかる!と共感してしまうのではないでしょうか。
そして、誰かの優しさが、誰かを変わるきっかけになるんだということ、 それがまた他の誰かの幸せにつながるということ……
そんなことを自然に感じさせてくれる、心温まる絵本です。
(洪愛舜 編集者・ライター)
食いしん坊のこぶたのグーグー、 食べても食べてもお腹がグーグー。 どこか食べもの屋さんで働こうと出かけます……。 おにぎり屋さんに、おだんご屋さん、ケーキ屋さん。 どこへ行っても食いしん坊で失敗ばかりのグーグーですが、優しいパン屋のおじいさんフクロウに出会って……。
美味しいものでおなかをいっぱいに満たすことと、 愛情をいっぱい浴びて心をいっぱいに満たすこと。 どこか似ている気がします。 自分はおなかいっぱいだ、とちゃんと感じられること。 自分はいっぱい愛されているんだ、とちゃんと味わえること。 自分のおなかが満ちて感じられる人は、人に美味しいものを分けてあげられる。 自分がいっぱいたっぷり愛された人は、人をたくさん愛してあげられる。
この絵本を読んだ子どもたちに、おなかと一緒に心も満たしてあげられる幸せをいっぱい浴びてほしいと願いをこめて作った絵本です。
おいしいところだけを店番しながら食べてしまう食いしん坊のグーグーに、これはひどい…と、子どもたちもあきれていました。でも、最後はよかったです。自分の失敗をいかして作ったパンはユーモアがあり、どれもおいしそう。パンが食べたくなりました。 (みっとーさん 30代・ママ 男の子6歳、女の子4歳)
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