物語の舞台はインド。
主人公の少年・アプーズのパパの仕事は、村のお寺で飼われているゾウのお世話をすることです。 アプーズも毎日パパのお手伝いをしていて、今ではゾウと大の仲良し。「マンモス」とあだ名をつけて呼んでいました。
ある日、アプーズは1人でマンモスを連れて川へ水浴びにいくことになりました。 すっかり綺麗に洗った後、夢中で水のかけあいっこをしていたら、気がつくと空がまっくらに。 「わっ、モンスーンだ、おおあめだ!」
辺りは川のように水でいっぱいに。 アプーズとマンモスは無事に帰ることができるのでしょうか……?
著者の市川里美さんは、パリに住まいを置きながら世界中を廻る「旅する作家」。そして、いろんな土地の「日常」を絵本で描いています。 これまでも、アンデスの山、砂漠の村、オマーンの山のふもとなどを舞台に描き、本作では、インドの村で暮らす少年の日常が、みずみずしく描かれています。
少年・アプーズは8歳。 日本で生まれ育つ子どもたちは、8歳というと「小学生で、学校へ行ってお勉強して、公園で遊んだりテレビを観たりゲームをしたり……」そんな日常が、当たり前かもしれません。 でも、世界にはいろんな暮らしがあり、いろんな日常を送っている子どもたちがいる。
マンモスの産毛に頬を寄せたり、川でマンモスの身体をごしごしと洗ってあげたり…… この絵本に描かれるアプーズの日常はとても生き生きと、魅力的に映ります。 世界中のいろんな文化、いろんな暮らし、いろんな人々に出逢える、市川里美さんの絵本。 ぜひ、他の作品もご覧になってみてくださいね!
(洪愛舜 編集者・ライター)
アプーズのパパは、おてらのゾウのせわをするのがしごとです。アプーズはゾウとだいのなかよし。マンモスというあだなをつけて、まいにち、パパのおてつだいをしています。ある朝、パパにかわって、マンモスを川でみずあびさせることになったアプーズですが、大雨がふりだして…。
インドのアプーズ少年のお話。
同じ8歳のゾウを、パパと一緒に世話しているのですね。
「マンモス」というあだ名をつけて、自分よりはるかに大きいゾウと戯れる姿がほほえましいです。
ある日、一人でマンモスの水浴びの世話をすることになりますが、
立派に手順に従ってする姿が頼もしいです。
ところが、モンスーンで大雨に。
ここで、動物たちの救出もやってのけるのが、カッコイイです。
サル、クジャク、コウモリ、トラ。
このラインナップにも驚きです。
何ともダイナミックな光景。
世界を旅する市川里美さんが紡いだだけに、とてもリアルに感じられます。 (レイラさん 50代・ママ )
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