室町時代から江戸時代にかけて、多くの物語草子がつくられた。「酒呑童子」は。23の短編『御伽草子』に収められている。英雄伝説に分類される、有名な鬼退治の話である。酒 呑とはいつも酒を呑んでいることからつけられた。童子 とは年齢に関係なく、禿かむろ頭の神社に属する雑役夫のことをいう。源頼光(らいこう)と四天王(仏教の守護四神をいうが、転じて、ある集団の中でとくに優れた者をさす) の碓井定光・卜部季武・渡辺綱・坂田公時、そして藤原保昌の豪傑六人が、大江山(京都府北部)にすんでいる酒呑童子と呼ばれる鬼を退治しに行くのである。この鬼は、美しく若 い女性をさらっては食べている。昼間は人のようだが、夜になるとそれは恐ろしい姿に化けるのだ。見事な頼光ら勇者の活躍で、鬼の首はうちとられ、また都に平穏なときが戻ってきた。
酒呑童子の退治物語ですが、絵にとても迫力を感じました。
退治に向かう源頼光たちは、一様に能面を被ったような独特の顔で、現実とは異質の世界に入り込んだような気になります。
鬼たちもとても悪人面な上に、酒呑童子の顔には、飲み込まれるような迫力があります。
登場人物たちのあくの強さに、お話がとても重いものに感じられました。 (ヒラP21さん 60代・その他の方 )
|