大商人のアフマドが、インドから連れてきた大きな生き物。村人たちは、くらやみの中で生き物にさわって「ヘビのよう」「木の幹みたいだ」「扇のようだ」と大騒ぎ。だれも自分の意見を曲げません。さて、本当はどんな生き物だったのでしょう? ペルシャの詩人ルーミーの詩をもとにした、ゆかいなお話です。
大金持ちの商人アフマドは、とてつもなく大きくて不思議な生き物を、インドから連れ帰りました。
この噂はあっという間に広がり、村人たちは生き物を実際に見るために、アフマドの屋敷に押しかけました。
けれどアフマドが寝ていたため、見せてもらうことができません。
我慢できない村人たちは、自分たちで勝手に見ることにしました。
建物の暗闇の中では生き物の全てを把握することはできず、村人たちが見たのは、生き物のほんの一部でした。
そして彼らはその一部を互いに主張し、相手の意見を決して受け入れませんでした。
まるで、木を見て森を見ず、という日本の諺のようです。
この絵本は、イランのルーミーという人物が創った詩を基に作成されているそうです。
物事の一部だけを見て知ったかぶりをする人は、どこにでもいるみたいですね。
大人たちがけんかをしているすぐそばで子どもたちがゾウそのものを受け入れている様子が皮肉で、愉快な気持ちになりました。 (めむたんさん 40代・ママ 男の子19歳)
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