クンクーシュ 5000キロの旅 難民家族とはぐれた猫がボランティアの力で再会を果たすドキュメンタリー。子どもに親しみやすい猫を通じ難民問題を心で感じる絵本。
あなたは、「難民」をしっていますか? 紛争などのために、着のみ着のままで、ふるさとの国から逃げ出さなくてはならないおかあさんと子どもたちの姿を想像してみてください。そして、もし、そのとちゅうで、かわいがっていたねこを見失ってしまったとしたら・・・。 それが、この絵本の、ほんとうにあった難民の家族とねこの物語です。 そのねこは、飼い主家族とはぐれ、ひとりぼっちになってしまいました。でも、幸運なことに、心やさしく行動力あふれる人たちに助けられ、5000キロもの旅をし、ついに、飼い主家族と奇跡的に再会することができたのです。 難民とは?家族とは?国際支援とは? 1ぴきのねこがつないだ出会いから、あなたは、どのように感じ、考えるでしょうか?
イラクの戦火を逃れて国境を渡る難民家族が、大切に連れてきたねこの話です。
そして、迷子になってしまったねこを、家族のもとに届けるために関わったボランティアの話です。
この本を読むにあたって、同じ題材で書かれた絵本「まいごのねこ:ほんとうにあった、難民のかぞくのおはなし(岩崎書店)」と並べ読みしてみましたが、視点と描き方の違いで印象に微妙な違いを感じました。
この「難民になったねこ」は、家族から離れてしまったクンクーシュのためにボランティアがどれだけ努力したか、美談から考える難民問題として成り立っているように思います。
巻末に解説や、難民を考える参考問題が付されているので、学習的な要素もあるかと思います。
難民家族の苦難という視点では、「まいごのねこ」の方が力点が家族寄りに思えるので、双方を読むことで理解を深めることをお薦めします。 (ヒラP21さん 60代・パパ )
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