毎日海賊ごっこに夢中なぼくら。 学校の仮装パーティーだってもちろん海賊になる…つもりだったけど。
ママがいうんだ。
「ロビンソン・クルーソーはどう? 大好きなお話のヒーローでしょ?」
そうそう、そうなんだ。ロビンソンは最高にかっこいい。 ママの衣装づくりは本格的。 ぼくは本物のロビンソン・クルーソーになっちゃった、友だちは何ていうかな。 ドキドキして学校に行くと、みんなが……大笑いした。
ショックのあまり部屋に引きこもり、熱を出して寝込んでしまった少年を待っていたのは、大海原からたどり着いた無人島!彼は一人きり、自給自足で生きていかなくてはならない。夢にまでみた大冒険の舞台だったのです。
張り切って、夢中になって、自信にあふれていて。だけどふいに訪れる「かなしみ」。世界が揺らいでしまう「瞬間」。子どもたちの多くが体験するそういう出来事は、大概はまわりから見ると大したことのないことだったりします。だけどそこには、これから大人になっていくまでずっと忘れてはいけない「大切なこと」が沢山詰まっているはず。
この絵本は、作者ピーター・シスの実体験をもとにしているからこそ「個人的な出来事」がとても丁寧に描かれていて、読んでいる人の心を動かします。あの、落ち込んだ心で向かった無人島が彼自身をとても強くしたのでしょう。
表現方法の幅も大きく広がり、ピーター・シスの魅力を存分に味わえる傑作絵本です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
ごろごろ ねがえり こころは ぼんやり なみの あいだを ぷかぷかり
無人島での冒険のお話「ロビンソン・クルーソー」にすっかり夢中の少年は、学校の仮装パーティーで、母親の力を借りて主人公ロビンソン・クルーソーに扮することになりました。 ドキドキして学校に行ってみると……「ロビンソン・クルーソー」を知らない友だちは、指をさして大笑いです。
「もう、かえりたいよ」 ショックのあまり少年は部屋に引きこもり、熱を出してねこんでしまいます。 しかしうなされたベッドの上で待っていたのは、大海原での船の旅、そして自給自足からなる、たったひとり無人島での心おどる大冒険だったのです。
国際アンデルセン賞をはじめ数々の賞に輝く、チェコ生まれの絵本作家ピーター・シスが、少年時代の成長へとつながった思い出を、幻想的なイラストレーションで描いた傑作。
ピーター・シスの美しい色合いのイラストに惹かれ、手に取りました。
学校の仮装パーティ用に、ロビンソン・クルーソーの衣装を作ってもらったピーター。大好きなお話のヒーローだからと張り切って出かけたのに、友達から笑われてしまいます。
作者の少年時代の思い出から生まれた物語だそうです。大きな画面にいっぱい広がったイラストがとても素敵で、見入ってしまいました。 (クッチーナママさん 40代・ママ 女の子18歳、女の子15歳、男の子12歳)
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