ここは緑の芝でおおわれた広い広い「おにがはらこうえん」。 子どもたちに大人気の公園です。 遊具で遊んだり、シャボン玉や砂遊び、野球や凧上げも。 思いっきり走って、寝転んで、気持ちよさそう!
そして、この公園にはいつも大きないびきの様な音がしています。
「ぐあーっ、ぐおーっ! ぐあーっ、ぐおーっ! 」
いびき…? どうやら子どもたちは気にしていないようです。 ところが事態は急変。
「うーん、むにゃむにゃ」
この声が聞こえてきたら、子どもたちは一気に駆け出します。 大いそぎで隠れるのです。なぜなら……!?
えっ!! ここからは「おにがはらこうえん」の信じられない驚きの秘密が明かされていきます。こんな公園、怖すぎる。だって、逃げ遅れたら大変なことになるのです。大変なことになるのに……なぜか子どもたちは公園に戻ってきます。しかも、楽しんでいるようにすら見える!?
読者がびっくりしている目の前で、話は思いもよらない展開へ。そして驚きのまま読み終わり、なんだか楽しくなってきて、もう一回。そうでした、子どもたちはこんなスリルが大好きなのでした。大人は置いて行かれるばかりです。
いつだって当たり前だと思っている思い込みを根底から覆してくれるのは、大人気くりはらたかしさんの絵本の世界。彼の絵本を読むときは、だから油断ならないのです。可愛いからと言って安心してはいけません。心して取りかかってください。あ、子どもたちは平気ですけどね!
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
おにがはらこうえん≠ヘ、子どもたちに大人気の遊び場です。いつも大勢の子どもたちが思い思いに楽しく遊んでいるのですが、たった1つ、気をつけなければいけないことがあります。いつも聞こえている「ぐあーっ、ぐおーっ!」といういびきのような音が「うーん、むにゃむにゃ」という声にかわったら、おおいそぎでかくれなければいけません。もし逃げおくれると、たいへんなことになってしまいます。 設定の面白さ、大勢の子どもたちが遊ぶようすのかわいさ、予想の出来ない展開と、絵本の楽しさがつまった1冊です。見かけの違いをこえて出会うことの豊かさも隠されたテーマになっています。
表紙絵がまず、とっても楽しそうです。
公園らしい緑の芝の地面に子どもたちが好きそうな遊具がみえます。
それから、「公園」らしからぬものも…!
「うーん、むにゃむにゃ……」が聞こえてきたら、危険信号で、子どもたちがさっと、公園内から逃げたしていきます。
ほぼいつも同じ風景である公園、ページをめくるたびに、どこがどういう風に変化しているのか見るのがおもしろかったです。
一匹、いつも必ず登場している白い犬がいるんですが、
遊び足りないのか、いつも逃げ遅れて最後の方まで残ってるのに気づいた方はいらっしゃいますか。
わたしは、「おに」に捕まった赤い帽子の子の近くにいることが多いから、この子の飼い犬なのかなぁとか、想像しながら楽しみました。 (てんぐざるさん 50代・ママ 女の子20歳)
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