「食べるのだいすき よみきかせ絵本」シリーズ第4弾。 今回のおはなしの主人公は、「きんぴら」になりたい、ごぼうとにんじん。人呼んで「きんぴらきょうだい」!
「にいさん、あたし、はやく きんぴらに なりたくって しょうがないわ」 「おう、すぐに なれるさ、いもうとよ」 赤い夕陽を背に受けて、着物姿にギターを担ぎ、きんぴらきょうだい旅に出ます。
やってきたのは、ひらひらエプロンの、いぬのマリーさんの家。 「あっしらを、きんぴらにしてくだせえ!」と訴えますが、 「あらあ ごめんなさい。うちは いつも フランスりょうりなの。」と、締め出されてしまいます。
いろんな家を回ってみますが、ふたりをきんぴらにしてくれる家は、ちっともありません。 思わず泣きだすにんじんを、ごぼうがなぐさめます。 駅前広場で「ぽろろ〜ん ぽろぽろろ〜ん」 ごぼうがギターを弾けば、にんじんが、きんぴらへの思いを熱く歌い上げ、街に悲しげな歌が響き渡ります。 と、そのとき……!?
きんぴらきょうだいは、無事きんぴらになることができるのでしょうか? どんな出会いが待っていたのか、それは絵本を読んでのお楽しみ。
ご存知、ごぼうとにんじんを炒めて作る昔ながらの家庭料理「きんぴら」。見た目こそ地味ですが、おいしくてヘルシー。おかずの定番としてはもちろん、常備菜・おべんとうでも大活躍ですよね。 ごぼうは、もともと薬として日本に入ってきた野菜で、平安時代には宮廷料理にも使われていたそうです。食物繊維たっぷりのごぼうと、カロテン、ビタミン、ミネラル豊富なにんじんを一緒に炒めるきんぴらは、栄養がたくさん摂れて、おなかにもとってもいいんです。 この絵本を読んだら、きんぴらきょうだいのインパクトと熱い思いが心に残ること間違いなし。きんぴらを食べるたび、楽しい気持ちになったらいいですね。
二人のキャラクターみたいな、味が濃い目のきんぴらが食べたくなります。 「おいしくて体にいい、きんぴら。たくさん食べて、元気になろう!」
(掛川晶子 絵本ナビ編集部)
だいのなかよしの、ごぼうとにんじんは、きんぴらになるのが夢。「ごぼごぼ にんにん」歌いながらいろんな家を訪ねますが、なかなかきんぴらにしてもらえません。そんなときにんじんが、きつねのコックにさらわれて……。 どこかなつかしい香りのユーモアあふれるお話を楽しみながら、自然に野菜と仲良くなれる、そんな一冊です。巻末には、にんじんとごぼうに関するやさしい解説つき。子どもたちに、野菜や食べものにもっともっと親しんで、たくさん食べて元気に育ってほしいという願いをこめて送ります。
八百屋で出会った人参と、ごぼうは、義理の兄妹になって、共にきんぴらになる旅に出る話。
2020年刊行。巻末にきんぴらの由来や栄養の説明付き。
昭和の浪曲の香りがするお話。苦労に苦労を重ねる旅暮らし。
そんなに深刻なテーマではないのだが、ごぼうとにんじんにとっては、どんなお料理にされるかは、人生の結末だから大変だ。必死のアピールと、捨て身の行動で、大冒険。
流しのギタリストとか、旅芸人とか、そいういう世界。
きんびらとは縁もゆかりもない人のもとへ行ってしまうのが面白い。最後はあっさり決まって、良かったと思うけど、もうこれっきり兄妹の姿も見られないと思うと寂しい。
食べることは、命を頂いているのだなあと思った一冊。 (渡”邉恵’里’さん 40代・その他の方 )
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