ファンタジーの名手あまんきみこが描く心温まる世界が、二十年の時を越えて新装復刊しました。
小さな北風の子が、生まれて始めての旅にでました。出発の時、お母さんが「北風は南風のように、動物や人間に喜ばれない。でも、北風も立派な風なんだからね」と言われて旅立ったのですが、やはり皆に敬遠され、心を痛めていました。そんな時、一本のいちょうが呼んだのです。「私の葉っぱ全部落としておくれ、根元で寒さに震える子猫を温めてあげたいから、手伝って」と。いちょうを気遣う北風の子と、子猫を気遣ういちょうの木。そこには自分を超えた大きな愛が、存在していました。
このお話の中で始めての旅をする北風は、人生の荒波に飛び出したこどもそのものです。そしていちょうの木はといえば、こどもが活躍できる場を見出し、大きな愛のお手本を見せてあげられる大人です。心を描いた作品として長年小学校の道徳の副読本としても、愛された作品です。
北風は、南風とは違って人間や動物には喜ばれない。
そんな北風の子が、頼みごとを頼まれて・・・
北風のお話でしたが、読み終わって、心があたたかくなりました。
あまんきみこさんらしい、素敵なファンタジー、本当に大好きです。
北風の子の可愛らしさ、愛おしさ。
イチョウの木の優しさ、あたたかさ。
金の小鳥と言った女の子の発想の豊かさ・・・
荒井良二さんの挿絵がこれまた素敵で、お話にピッタリでした。
とにかく、北風の子が可愛くて、可愛くて。
表紙の題字も、美しい色彩も、とてもいいですね。
秋から冬にかけて読みたい1冊です。 (MYHOUSEさん 40代・ママ )
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