わたしが生まれる前から家にいた犬のリリ。なにがあってもしっぽをふって待っててくれたリリ。ずっといっしょにいると思っていたのに、リリはいつのまにかおばあちゃんになっていた。耳も聞こえない、目も見えない。そして、とうとう死んでしまったの……。亡くした愛犬への思いを断ちきれずにいる少女。愛するものの死を忘れることはできなくても、出会えたことに感謝する気持ちをもてたとき、少女は少しだけおとなになります。哀しみを温かさに変える強さを、人はもっていると、信じさせてくれる本です。
飼い犬とのお別れを描いたせつないお話なんですが、この絵本の価値って結構高いと思います。
動物を飼ってる以上、人間より寿命の短い動物とは必ずお別れする日が来るということ。
犬や猫を欲しがることがわが子もたまにあるけれど、これは避けては通れないということを忠実に書いてくれているように感じました。
その手の絵本はいろいろあると思いますが、どんどん老いていくという事実、他の犬は普段通り散歩してるのに何故自分の犬はもういないんだろう‥と寂しいはがゆい思いでかつて通った散歩道を一人で通る心境。
こういうのがとても具体的で、動物を飼ったことがあり亡くしたことがある人なら必ず体験する気持ちをつづってくれています。
難しすぎず、ファンタジーすぎず、子供に事実をそっと教えてくれる、そんな素敵な絵本だと思います。 (めめくまちゃんさん 30代・ママ 女の子6歳、女の子4歳)
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