
永遠の名作童話・『ハイジ』の前半部分を題材にしたキルト絵本の上巻。 布帛特有の柔らかなマチエールが、物語の清廉な世界観をいっそう引き立てます。著者はキルト作家の高原ゆかり氏。細部まで作り込まれた絵柄が、アルプスの雄大な大自然での疑似体験を呼び起こし、読者を童心へと返らせます。 また、巻末には読み聞かせ音声が流れるQRコードを付嘱。目と耳で楽しめる構成になっています。 作曲・ピアノ演奏はピアニストの今安志保、朗読は女優の今安琴奈が担当。

原作の「ハイジ」は長編の物語です。
そこからエッセンスを取り出したお話だから、上下巻という珍しい構成になったのでしょう。
それでもあらすじを追いかけている様なところが否めず、展開の飛躍は気になりました。
それでも、それを埋めるのが、布地に丹念に縫い上げた絵の質感と布地の空白部分です。
旋律と余韻が縫い込まれた中に、原作への思いを感じました。
上巻は、ハイジがアルムの山で暮らすようになってから、様々な出会いや別れがあって、ドイツのフランクフルトに移り住み、再び山に戻って来るまでのエピソード。
当然下巻を読まずにいられません。
QRコードを使って、朗読音声と効果音楽を聴くことができるのも、とても豪華なプレゼントです。
関わった人達の思いが伝わってきました。 (ヒラP21さん 60代・その他の方 )
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