パン屋さんのきつねには、世界一おいしいパンを作ってみたいという夢がありました。 ところがある日、おほしさまがやってきて「おいしいけど、ねこのパン屋さんのパンには敵わない」と言うのです。 それを聞いたきつねは心配になり、紳士に化けて、ねこのパン屋さんの偵察に向かいました。そりゃ気になりますよね。 「おほしさま、なんてこと言うんだ!」とお怒りのみなさん、私もそう思います。 でも、もう少し様子を見てみましょう。何かおほしさまには考えがあるのかもしれませんよ?
さて、ねこのパン屋さんを訪れたきつねですが、思わず「きつねのパン屋さんのパンには敵わない」と言ってしまいます。それを聞いたねこのパン屋さんは心配になり、変装してきつねのパン屋さんを訪れ、きつねに向かって「ねこのパン屋さんのパンには敵わない」と言ってしまうのですが……。
実はふたりとも自分のパンよりも相手のパンの方がおいしいと感じていたのです。 ひとりになると、わあわあ泣き出すきつねとねこ。パン屋さんをやめてしまいそうな勢いです。 おほしさま、これ本当に大丈夫?
どんな結末が待っているのか、こわいような楽しみなような。 巻末には土井章史さんとN田N昌さんが長新太さんについて語るスペシャル対談がありますので、そちらもお楽しみに!
(近野明日花 絵本ナビライター)
・初出から約50年の時を経て待望の単行本化 ・ナンセンスの神様、長新太の絵を愛するすべての人に ・長新太を知る2人、土井章史×N田N昌スペシャル対談掲載
1973年月刊雑誌掲載の名作が、約50年の時を経て単行本化! きつねとねこは、それぞれパン屋さんをしています。 ある日、自分のお店よりもおいしいパン屋さんがあると聞きました。 お互いパンを食べると、自分のパンより相手のパンの方が おいしいと感じ、ショックで泣き出してしまいます。 そんな二人のユーモラスな表情を 「ナンセンスの神様」の異名を持つ長新太が描きます。 虚勢を張り合うきつねとねこの豊かな表情に是非ご注目ください。
星の一言がきっかけで、互いのパンをこっそり食べに行ったきつねとねこ。
お互いに相手のパンを認めていながら負け惜しみをいうあたりが、人間臭くていいですね。
最終的には仲良くなって一緒にお店を経営しますが、星の策略にはまったのかもしれませんね。
(めむたんさん 40代・ママ 男の子21歳)
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