リンバはボルネオ島に住む女の子。森へバナナをとりに行くと、昨日見かけたオランウータンの親子にふたたび出会います。ポンゴとそのママです。ポンゴは高い木の枝から顔をのぞかせ、リンバにこっちにこない?と誘うのです。
ポンゴのママに手伝ってもらい、二人のいる場所までたどり着いたリンバは、一緒にバナナを食べたり、ママにつかまって木から木へととびうつったり、ドリアンを食べたり、楽しく遊びます。ママは教えてくれます。高い木の上から見渡せるこの森全部が二人の家なのだと。
「オランウータンって、森のひとっていみなの」
オランウータンたちは、この森があるからこそ生きていけるのです。それなのに、今その森は、人間たちの手でどんどんこわされていき……。
市川里美さんの「世界を旅する絵本」。今回の舞台は日本からずっと南にあるボルネオ島。この島は、世界でもっともふるい森におおわれています。豊かな森が伐採され続け、愛情深い動物オランウータンの住む場所がうばわれている現状を知った作者が、森をいつまでも残したいという思いを込めて、この作品が生まれました。
ママにしっかりつかまって、母親のすることを見ながら森で生きる全てのことを学んでいくボンゴ。そんなボンゴの真似をして、一緒にママにしがみついて遊ぶリンバ。その様子のなんて愛らしいこと! 子どもたちは絵本を読んでいるうちに、いつしか自分もボンゴのママの愛情に包まれているような気持ちになることでしょう。リンバがボンゴにまた会えますように。そう願わずにはいられません。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
ボルネオ島にすむ女の子リンバは、森でオランウータンの親子に出会いました。ポンゴとそのママです。三人はいっしょに木から木へとびうつったり、ドリアンを食べたり、楽しく遊びます。でも、ママには心配なことがあるようで・・・。 今でも原生林がのこるボルネオ島には、オランウータンをはじめ、地球上でここでしか見られない固有種が多数生息しています。近年この豊かな森の伐採がすすみ、オランウータンもすむ場所をうばわれています。孤児になったオランウータンの保護施設のことを知った作者が、この愛情深い動物が親子いっしょにくらせる森をいつまでも残したいという思いをこめて、作品を描きました。
環境と動物たちの保護の話として受けとりました。
オランウータンとこんな友だちになれたら楽しいでしょうね。オランウータンはとても友好的な動物だと思います。
その、オランウータンが棲息する森が、次第に小さくなっていくことを改めて考えています。 (ヒラP21さん 70代以上・その他の方 )
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