金魚やオウムと話をする子。 泣き出すと3次元がゆがむほどのエネルギーをもっている女の子の話など、 学校で毎時間おこるふしぎな物語。
NHKの番組で室井滋さんが楽しく語っていた「消しゴムころりん」が
この短編集に含まれていると知り、手に取りました。
一つ一つのお話は、登場人物の異なる、独立したお話ですが、
朝から夜まで「ふしぎの時間割」に沿った小学校のエピソードは
どれも不思議で、それでいてリアルで、強く引き込まれます。
章と次の章をつなぐ絵がとても印象的。
次のお話へふわっとワープしていくような感覚で、途中でやめることができませんでした。
息子達に読み聞かせたら、もう夢中。
特に小3の長男は「好きな感じの話じゃないのに、面白かった」と言い、
(普段はひたすら笑えるお話が好き。)翌日も一人読み。
話しかけても全く気付かない、その没頭ぶりに苦笑いした程でした。
息子達のお気に入りは、五時間目の「石ころ」(五年生のお話)。
僕のせいだ、どうしようという泣きたくなるような気持ちと、ラストの安堵感。
聞いている息子達の表情がくるくると変わるのが分かりました。
私が好きなのは一時間目の「ピータイルねこ」(一年生のお話)。
みどりちゃんのドキドキが伝わってきて、応援せずにいられません。
読む人によって、その時の心境によって色々変わるかもしれませんね。
作者は小学校の図工の先生だそうですが
どうしてこんなに子どもの気持ちが分かるのでしょう。
私だって毎日子どもと一緒にいながら、なかなか分かってあげられないのに。
読み聞かせなら小学校低学年から、一人読みなら小学校中学年からでしょうか。
手ごたえのある児童書で、小学生のお父さん・お母さんにもおすすめです! (ランタナさん 40代・ママ 男の子8歳、男の子6歳)
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