「どろんここぶた」や「ふたりはともだち」で子どもたちに人気のアーノルド・ローベルがシャーロット・ゾロトウと一緒に作った絵本です。
パパがお出かけのキスを忘れたのでママは息子にやつあたり。息子は姉さんにやつあたりとどんどんひろがりますが、それを止めたのが犬のパジィ。ひとりの機嫌が直ると、あっというまにみんななかなおりをして、さいごにはパパが帰ってきてママにキス。ハッピーエンドです。ほんとうは、仲よしのほうが好きなのにふとしたことからけんかや仲たがいが起こります。それを止めることができるのも人間だ、とゾロトウさんが描いています。
1963年初版の古典的絵本で、日本では2008年3月に翻訳されたもの。
雨降りに起きたママの憂鬱が、家族に伝染していきます。
憂鬱からけんかに発展します。
確かに、雨降りって憂鬱なものですよね。
それが、ふとしたきっかけで皆が謝って仲直りしていくという物語です。
「謝ると良い気持ちになりました。」
という文章がくりかえされるのですが、とても良い響きです。
ふとした日常に、こんな気持を持てる子供に育って欲しいものです。
モノトーンの絵は少し暗い感じがするのですが、雨の憂鬱さを端的に示していると思います。
また、話の転換する場面では、頁全体が黄色で描かれており、効果的な印象を持ちました。
何回か読むと良さがわかってくるのですが、文章、絵とも少し暗くて重いので、子供にとってすんなりと受け入れられないかも知れません。 (ジュンイチさん 40代・パパ 男の子12歳、男の子6歳)
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