赤くて丸くて、ぴかピカのトマト。ヘタ周りの青さもみずみずしい大きなトマトに魅了されて次へページをめくると……。びっくり! ちっちゃな茶色っぽい種が、真っ白いページの中央にちょこんと描かれています(これが、本物の種の大きさ)。 「こんなに ちいさな たねが、どのようにして トマトの みに なるのでしょうか?」
種を蒔くと、その種は地中でグングン根と芽を伸ばし、やがて地面に顔を出す。小さな双葉から、ギザギザした葉が出て、どんどん大きくなって……。黄色い花が咲き、青い実になり、赤く染まった中にまたたくさんのつぶつぶの種が見えるまで。トマトができていく様子がよくわかる絵本です。
作者の荒井真紀さんは、繊細で美しい植物の絵に定評のある絵本作家さん。『たんぽぽ』(金の星社)で2017年度ブラティスラヴァ世界絵本原画展、金のりんご賞を受賞しています。 本書も、茎やヘタに生えた白い産毛のようなものまで描かれる緻密さは圧巻。最後に登場するトマト料理もとってもおいしそう!
春から初夏にかけて園芸店やホームセンターで見かけるトマトの苗。実際に育てて、収穫して食べることができたら、子どもには忘れられない経験になるかもしれませんね。 親子で絵本を見ながら、スーパーのトマトがどのようにできたのか、おしゃべりしつつ想像するも良し、実際に育ててみるのも良し。幼い子の視点を広げてくれる植物観察絵本です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
おいしいトマトを育ててみよう!
春になるとたくさんの苗が売られるトマト。 トマトは植木鉢でも育てられると人気の野菜です。
本書は、トマトの成長の過程を美しいイラストで追います。タネから、芽を出し生長するトマト。 世界中には、いろんな種類のトマトがあります。 最後には、たくさんの美味しいトマト料理を紹介。子どもから大人まで楽しめます。
【編集担当からのおすすめ情報】 細密画で描かれた美しい植物画で定評のある荒井真紀さんの新作。荒井さんは、ブラティスラヴァ世界絵本原画展で金のりんご賞を受賞されています。 自然観察の参考にもなる一冊です。
何よりも写実的な絵の素晴らしさに引き込まれてしまいました。
トマトが瑞々しく、清らかに描かれていて、とても癒やされる不思議な絵本です。
小さな種が育って身になるまでの観察、種類の紹介、食べ方の色々が、丁寧に描かれています。 (ヒラP21さん 70代以上・その他の方 )
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