オリーブは、生きている木に会ってみたいと、ずっと思っていました。
でも、さいごまで生きていた木も、 はるかむかしに死んでしまったのです。
木のない世界を想像してみてください。わたしたちの世界とよく似ていますが、空いっぱいにひろがる木の枝も、木のぼりも、風にそよぐ木の葉も、いまや遠い記憶のなかに閉じ込められたままです。 そんな世界に生まれたひとりの女の子、オリーブ。おそれを知らない元気いっぱいのオリーブは、ある日、ゆたかな想像力にみちびかれるままに、木が生きていた世界に迷いこみます。
オリーブの探求心あふれる冒険をとおして、わたしたちは自然のおどろくべき力とうつくしさに気づかされるでしょう。 そして、その勇気ある行動は、木のない世界にひとつぶの希望をもたらすのです。
本書は、圧倒されるほど繊細で美しいディテールとスケールを備えたイラストで、世界共通の課題である環境問題をテーマとした重要なメッセージが描かれています。 限りなくシンプルな言葉選びを重ねた文章は、開くたびに読者の想像を駆り立て、新たな発見と解釈をあたえてくれます。 本書は、一人一人が自然の大切さを意識し世界が抱えている問題を、地球全体で考える必要性があるということを改めて感じさせてくれるメッセージが込められています。 現代人に必要なメッセージで描く本書は、子どもからおとなまで、幅広い年代の方々に受け継がれる物語です。
この世界から木がなくなってしまったら、動物たちも棲息していないのかも知れません。
モノクロームのスケッチのような絵の中で、物語が膨らんでいきます。
オリーブという女の子が、訪れた博物館で、「さいごの木」と題された絵の中に入っていきました。
そして木々が生きていた頃の自然を体感するのです。
当たり前のように木々が群生していた時代は、決して現在ではありません。
木々が失われていく過渡期の中に自分たちがいるのだと、改めて実感させられました。
オリーブが持ち帰ったタネは貴重です。
そこまでに至らないうちに、自分たちもできることを考えたいと思います。 (ヒラP21さん 70代以上・その他の方 )
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