「アイスクリームは あついのが きらい」 「すぐに とけちゃうから」
わかる、わかる。 とけちゃったら、アイスクリームじゃなくなっちゃうものね。 じゃあ、寒いのは? …やっぱり「きらい」なんだって。どうして、どうして?
「せっけんは きれいな手が きらい」 「あまり やくに たたないから」
なるほど、確かに出番がありません。 自分の存在価値に悩んでしまうかもしれません。 じゃあ、きたいない手は好きなのかと言えば…そうでもないの!?
納得の「きらい」、意外な「きらい」。こんな風に、意外なものたちの「きらい」が次々に登場するこの絵本。不思議な「きらい」も出てきます。
「トンカツきらいな にくやさん」
何があったの? 途端に知りたくなってしまいます。 きっとそこには、深くて長い理由があるはずです。 いや、理由なんてなくて困っているかもしれません。 端から見ていると、なんだか可笑しいですよね。
もともとあまり前向きなイメージがない「きらい」という言葉。子ども達はもちろん、大人だって結構持て余しているに違いない感情です。でも、こうして並べてみると「きらい」って、なかなか興味深くて面白い!そこには、自分を知る、他人を知る、大きなヒントが隠れているのかもしれないからです。 「だったら、楽しく悩んじゃおう!」 中川ひろたかさんと工藤ノリコさんのユーモアセンスが、みんなを全力でバックアップしてくれていますよ。 「ぼくのきらいなものは…?」
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
ちょっとあまのじゃくな気持ちをリズミカルにつづった絵本。「きらい」という、負の感情ですが、楽しく悩んでみようという、前向きのコンセプトの作品。
中川ひろたかさんと工藤ノリコさんのコンビというのは、私は初めて見ました。
珍しい取り合わせのように感じたのですが、絵の感じは合っているように思いました。
きらいというのは、否定的な響きのあるかなり強い言葉のように感じでいましたが、それを笑いに変えておもしろかったしまうのが、中川さんらしいと思いました。
好きの裏返しのように思えるものもあり、クスッとする場面もありました。
きらいの表情が集まっている場面はインパクトがあります。 (はなびやさん 40代・ママ 男の子8歳)
|