北海に浮かぶ小さな島チロヌップ。きつねたちと人々の暮らしを、やがて戦争が…。 平和への祈りを込めて描かれた不朽の名作
3人の漁師が、野生の子ぎつねと仲良くなりました。しかし、やがて戦争が、その触れ合いの日々を奪い、懸命に生きるきつねの親子を悲しい運命に追い込んでゆきます。ほろびゆく自然、ほろびゆく動物たちへの悲しみをこめ描かれた絵本。戦争がもたらす悲しみを、美しく繊細なイラストで丁寧に描いています。
何度も読み返してしまいました。
戦争で日本人が自由に行き交いできなくなった島で、どんなことが起こっていたのか、単にノスタルジーではなく、キツネの境遇として描かれたこの物語の中に、いろんなものが感じられたからです。
溺れそうになった子ギツネを助けた漁民が、30年後に島の近くを通って呟いた事が全てでしょうか?
ある時は友好関係に、ある時は毛皮を狙われる敵対関係に、そして、黒い人影が訪れて関係対象が変わってしまいました。
キツネたちにとってはとても切ない話ですが、日本人にとっても切ない話です。 (ヒラP21さん 60代・パパ )
|