春真っ盛りのある日、道端の1本の木が突然枯れ始めた。アリスの家族や町の人々は、木の助けようと、けんめいの努力をはじめるが…。土壌汚染という切実なテーマを静かに提起した絵本。
まず、絵が素敵っていうのが第一印象でした。穏やかな風がこっちにまで吹いてきそうな、大きな木と草原。そして親子。この表紙の絵を見た時点で、素通りはできませんでした。
家族だけでなく、みんなに愛されていた大きなどんぐりの木。ある日異変に気づいたのは、その家の娘であるアリスでした。
調べた結果、木の根元に化学薬品がまかれたらしい。そのせいで木がどんどん弱っていくのです。
周囲のみんなのたくさんの協力を得て木の快復を祈りましたが、その願いは届かず。木は生きる力をついになくしてしまいました。
そんな絶望的な状況を知ったアリスがとった行動。それが、いつも集めていたどんぐりの実を埋めることでした。そんな悲しい状況でも、未来への希望を自分で見出したアリス。自分で出来ることを見つけたアリス。本当に凄いって思います。「いつかどんぐりの木が」・・・お願い。祈りよ届いて。
本を閉じたあとも、しばし動けず、ストーリーから抜け出せないような余韻が残っていました。この本は、読み聞かせというよりは、子供自身が自分で読むことで何かを感じてほしいと思いますね。小学生くらいになったら薦めてみたいです。 (環菜さん 20代・ママ 男の子4歳、男の子2歳)
|