リスベート・ツヴェルガーが描く旧約聖書の世界。ニューヨーク・タイムズベストイラスト賞受賞作品。
神は、ノアに言いました。 「すべてのいのちが終わる日が来る。わたしは地上に大洪水をおこす。それにより、すべてのものは滅びるのだ。 だがノアよ、おまえには約束しよう。大洪水のあと、おまえから新しいいのちの物語がはじまる、と」
「ノアの箱舟」は、沢山の絵本が出版されています。
この「ノアの箱舟」の特徴は、リスベート・ツヴェルガーの描く絵にあります。
リスベート・ツヴェンガーは、グリム、アンデルセン等の世界的名作を、繊細で独特の画風で描き、国際的に評価を得ており、この作品も、思う存分に彼女の描く絵の魅力が溢れているものです。
「大昔、さまざまな生き物のあいだを、巨人族がのし歩いていたころのことです。
人間たちはたがいにいがみあい、ねたみあってばかりいました。
人びとは、戦争と破壊に明け暮れていました」
という書きぶりで始まりますが、今の時代を鑑みて、心に響くものがあります。
大昔という設定からか、ケンタウロスやユニコーンも描かれていました。
また、ノアの箱舟を水中から見たシーンでは、水没した町を見慣れない魚が泳ぎまわるのが印象的。
ニューヨーク・タイムズベストイラスト賞受賞作品というのが頷ける、とても綺麗な絵は、見るものの心を惹きつけて止まないことでしょう。
実に想像力を掻き立てられる絵だと思います。
一寸文章は長いですが、絵が秀逸なので飽きることなく、読み聞かせできる作品としてオススメします。 (ジュンイチさん 40代・パパ 男の子12歳、男の子6歳)
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