なんだかすごくおもしろい絵本を見つけてしまいました。 なんたって最初の場面で主人公達は見つけることのできない位の小ささで登場するのです。 その主人公とは団地のすみに住んでいる「じっちょりん」の家族です。じっちょりんは花びらや葉っぱを食べるけど、種だけは食べないでとっておきます。なんと、コンクリートの隙間や電信柱の根本などにせっせと植えに行くのです!ああ、散歩の途中、あんなところに、こんなところにそっと咲いていた雑草を楽しめるのはじっちょりんのおかげだったのですね。 作者のかとうあじゅさんはこの作品がデビュー作なのだそうですが、ユーモラスなじっちょりん一家の可愛らしさと、あっと驚くスケール感、そして愛にあふれた植物描写などなどに、すでにじっちょりんワールドのとりことなってしまいました。今度のお散歩は細かく細かく色んなところを覗いてしまうに違いありません。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
ちいさないきものじっちょりんは、人間の気付かないところでは、せっせと野の花の種を植えて歩きます。アスファルトの隙間や、電信柱の根本や・・・。雑草と呼ばれるような小さなきれいな花たちを愛でる気持ちが芽生えるあたたかな絵本です。
★この作品によせて、絵本作家・片山健さんからコメントをいただきました! 「春がくるのも なんだかうれしいのも みんなわずか数ミリのじっちょりんのおかげかもしれません。」
<作者のかとうあじゅさんより>
じっちょりんの目の前にはきっと道はないけれど、
自分達でつくった道を進んで生きています。
制作中に何度も壁にぶつかったりもしましたが、
最後まで完成する事ができたのは、
そんなじっちょりんの存在を尊敬していたからだと思います。
思い入れたっぷりのデビュー作となりました。
この本の紹介をメルマガで見て、即購入しました
それはどうしても読み聞かせたい女の子がいたからです
わたしはその子と学校の校庭を散歩してたくさんの野草を摘みました
それを押し花にして図書館から図鑑を借りて名前を調べて…
この本にはそれらの花のほとんどが描かれていました。ちゃんと名前付きで!
女の子は「じっちょりんて何?」と笑顔でいい、「この花こんな名前だったんだ!」と驚き、じっちょりんが踏まれないようによけたり、靴に乗ったりする絵に喜びました。幼稚園の名前やお店の名前にも、私よりも先に気付き、笑いました。
最後の最後まで、ほんとに細かい部分にも、作者の、じっちょりんと読者への小さな愛がちりばめられていて、それが野草が成長して花咲くように、読み手の心の中で大きく大きく膨らむのを感じました。
また野草を摘みに行きます。今度はじっちょりんを探しながら歩くことになるかもしれません。^^ (サンサンフラワーさん 50代・せんせい )
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