かばのポポと仲間たちがくりひろげる楽しいお話、「ポポくん」シリーズ。 『ポポくんのミックスジュース』『ポポくんのおんがくかい』に続く、第3弾のお話は・・・?
朝からせっせと働く、かばのポポと仲間たち。「みんなのはたけ」と看板を立て、野菜を育てています。 「きのうより はっぱが ふえてるよ」「うんと うんと おおきくなーれ」水をあげて雑草をぬいて、大忙しです。 いよいよ明日は収穫という夜。流れ星に「ぼくのかぼちゃが おーきくなりますように!」とお願いしたポポのかぼちゃは、翌朝、見たこともないくらい大きくなっていました! わいわい仲間が話していると、あれ、かぼちゃのてっぺんに、手紙がついた赤い風船がひとつ、くっついている!と気づきます。手紙をあけると、地図と『ふうせんのきのおかにすんでいます。あそびにきてください』の文字。 「風船の木」って何でしょう。手紙を風船につけて飛ばしたのは、だれ?
とれたての野菜を荷車にのせ、もちろん大きなかぼちゃものせて、みんなで「風船の木」をめざします。ゴロン、ゴロリン。 到着した「風船の木」に住むだれかさんと、おなかがすいたポポたちみんなで、楽しいカレー作りのはじまりです!
「大きなかぼちゃ」「カレー」「風船のお手紙」と、子どもがわくわくするものが3拍子そろった、贅沢なお話。 さいごまで立派に役割を果たしたポポのかぼちゃ、お腹いっぱいになったみんなが眠る丘、そして、いちばん最後にたずねてきた生き物の存在まで・・・。ほっこりして笑顔になれる場面がたっぷりの絵本です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
あしたは、ポポくんが育てているかぼちゃの収穫の日。ポポくんが夜空をながめていると流れ星が! 「ぼくの かぼちゃが おーきく おーきく なりますように!」ポポくんはいそいで願いごとをしました。すると、次の日の朝、ポポくんのかぼちゃが、みんなの背たけより大きくなっていて、その上には赤いふうせんと手紙が。そしてそこには、「ふうせんのきの おかに すんでいます。あそびにきてください」というメッセージ。「だれだろ?」ポポくんたちは、とれたての野菜をたくさんもって遊びにいくことに。
ふうせんのきにすんでいたのはリスで、野菜を使ってみんなでカレーをつくることになりました。さあ、かぼちゃをくりぬいて、野菜を洗って、ほうちょうで切って、たまねぎをいためて……。
「ポポくんシリーズ」の第3弾。「できた!」という達成感や「おいしい!」という実感をみんなで分かち合う喜びが伝わってくる、心温まる絵本です。
ポポくんのミックスジュースも所有していますが、あくまで個人的な感想ですが前作で物足りなかった点等解消されてより進化した感じです。
ミックスジュースの方は擬音や感嘆詞が多くてそれを声にだして読むのが少々面倒だったんですが、こちらは無駄がなくすっきりしています。
一番の長所はカラフルなイラストのセンスで、それだけでも持っている価値がありますが、本作はストーリーも更にいいですね。
道徳的な見せ場があったり、オチがあるようなシリーズではありませんが、子供向け絵本としての完成度の高さで星5つにしてみました。
スプーンを持参して集まって下さいという現代の環境事情に則したエコ感覚(?・・・合理的で気に入りました)、他人の家にお邪魔してただ待っているだけでなく自然な流れでみんなで協力してカレーを作るという姿勢もなんだか好感が持てました。
一番主人公に感心したのが、2度目に流れ星を見た際、また願い事をするのではなく、願いをかなえてもらったお礼を言うところなど、感謝することも教えてくれます。
そして隠し味的に、キャラクターの様子をよく見てみるとどの動物どのセリフを言ったのかなんとなく分かるようになっているところも子供と語り合いながら読めます。
また、マイペースのカメもちゃんとカレーにありつけた終わり方も素敵ですね。 (Maiyonさん 30代・ママ 女の子3歳)
|