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お父さんとふたり、とおい町にひっこしてきたわたし。 こころぼそくて しんぱいで、まるでじぶんが、へんな虫になったきぶん……。
住みなれた家をはなれた少女が、新しい土地でとまどいつつ 生きていくさまをこまやかに描いた、中南米コロンビアの傑作絵本。
難民の現状を伝える絵本として、国連難民高等弁務官事務所の支援で出版された 特別版は、ラテンアメリカ各地で配布されています。
父親と2人やってきた町は虫の世界だった。
何とも衝撃的な絵本です。
でも、この絵本が難民のことを扱っていると解ったら、何とも辛辣なアイロニーとして頭に溶け込みました。
難民からみたを移住先の世界です。
これがそこに住んでいる社会から見たら、やってきた人が虫に見えるに違いありません。
現に日本では、同じ人間でありながら、難民と認められずに収容施設で命を落としたり、逃れてきた国に送還されるのではないかと怯えている人たちがいます。
この人たちへの扱いが、人間的だとは思えません。
お互いが人間として、共に生きることを願った絵本なのだと思います。
視点を変えれば、周りの人たちが虫に見える精神構造は、心理学的でもあると思います。 (ヒラP21さん 70代以上・その他の方 )
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