終戦から五十九年。日本はかつて中国をはじめとするアジアの国ぐにを長く武力占領し、各地で暴虐の限りをつくしました。中でも「七三一部隊」は「悪魔の部隊」と呼ばれる細菌戦部隊でした。当時、少年隊員として七三一に所属した篠塚良雄さんが、自ら犯した中国での残虐な行為を告白し、平和を希求する強い思いを語ります。
衝撃的な本です。日本が戦争において、どんなことを行ったのか、事実を知ることはとても大切なことです。
しかし、戦争を知らない世代として育った私には、オウム真理教や、連合赤軍において、若者が陥った地獄の方が先に思い起こされてしまって、とても苦しいのです。
「生体実験」という常軌を逸した非人道が、肯定された社会があったのです。
今ならば当然裁かれなければならない人間が、その事実を自分の心に押し込めました。
当事者として証言するに至った事には、懺悔があります。
ただ、あまりにも生々しくて、読んではほしいけれど、私から薦めるのは躊躇される本でした。 (ヒラP21さん 60代・その他の方 )
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