題名を見て、悲しいお話なのかな?と思った方、ご安心を。こちらは、猫やペットを愛する全ての人たちにそっと贈りたくなるお話です。
最初のページをめくると、真っ赤な空と一面に広がる緑の草原。草のいい香りがしています。猫は気持ち良さそうにこの道をかけていきます。天国へ向かうのです。天国まではどのぐらいかかるかな。猫はひとりぼっちでさみしくないのかな?でも大丈夫。天国のドアの前では必ず天使が待ってくれていて、「よく きたね」とやさしくキスをしてくれます。
天国では、猫のための木が生えてたり、猫の好きなおもちゃがあったり、猫の好きなごちそうが山盛りだったり、楽しそうに過ごす猫たちがいっぱい。でも一番猫たちが幸せそうな顔をしているのは、天使のひざの上でゴロゴロしたり、神さまのベッドにのせてもらっているとき。猫たちは神さまのそばでまるくなって安らかに暮らしながら、時々、遠くの青い星にいる、大好きだった人たちを静かに見ているのです。
訳者のまえざわあきえさんは、この本の原書である『Cat Heaven』を書店で見つけて読んだ時、涙が止まらなくなったといいます。しかし、それは悲しい涙とは違うものだったそう。この絵本を読み終えたら、きっとその涙のわけがそれぞれの人たちの胸の中で静かにストンと落ちることでしょう。作者は、これまでに60冊を超える子どもの本を執筆されているシンシア・ライラントさん。読みながら、ふんわり優しく包まれたような気持ちになるのは、美しいことばと優しいタッチの絵の奥にある作者のあたたかなまなざしを感じるからでしょうか。
(秋山朋恵 絵本ナビ編集部)
<かけがえのない猫と暮らしたことがある人へ…> 猫は死んだらどうなるのでしょう。人間のように天国に行くのでしょうか。そうです、やはり、猫の天国へとむかいます。猫の天国への道は、さわやかな草のにおいがし、天国の入り口では天使が待っています。天使からミルクをもらい、ここで猫も天使になるのです。天国の猫たちは、神さまや天使に、うんと大切にしてもらいます。優しくなでてもらい、おいしいご飯を食べ、大好きなおもちゃで遊びます。そしてときどき、昔暮らしていた家のことや、かわいがってくれた人たちのことを思い出すのです。
天国に行った猫たちの生活をあたたかなまなざしで描いた作品。猫を愛するすべての人に贈る、癒しの絵本。
ペットのねこを飼っている家の子にとって、とてもやさしい絵本です。
ペットを飼っていると、必ず死とういう体験をするのですが、人間の死後の世界は説明できても、動物たちが死んでからどこに行くのか、語ってくれる絵本が見当たらないでいました。
ねこにも天国があるのなら、安心です。
自分の妹や弟のようにしていたねこは、家族でもあるのだから、このような癒し絵本も準備しておくと良いと思います。 (ヒラP21さん 60代・パパ )
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