主人公ハンヅは新米の大工、今日からお金持ちの家をつくる工事現場に仲間入りをしました。 さぁ仕事が始まり、ハンヅも大忙しで働いています…そんな中。 現場で棟梁が「おい、早く来ねぇか!」と呼んでも、「行きたくても行けないんですよー」と大工たち。 よーく目を凝らして絵を見ると、上っても、上っても、上っても…同じところに戻ってしまって棟梁の元にたどりつけないはしご。 さらに立てたのは細い柱だったはずが、あれれ?どこから見ても大きくて太い柱になってるし、床がどこからか階段になっちゃってるし、そんなこんなで完成した家は・・・な、なんだこりゃー!? どうしてぼくが関わると、変なつくりになっちゃうの?
一生懸命がんばってるのに何をやってもおかしなことになってしまう新米大工ハンヅの物語と、リアリティ溢れる建物のトリックアート、一冊で2つの世界を楽しめる贅沢な絵本。 作者の青山邦彦さんは、講談社新人賞入選、ボローニャ国際絵本原画展入選などの受賞歴を持つ実力派。また建築学を学び建築事務所で働いていたという異色の経歴の持ち主なんです。 こんな青山さんが描く建築現場や建物のだまし絵は立体的でとても緻密、だけどしっかりユーモアがちりばめられていて、見ごたえたっぷり、夢中にならずにはいられません。 そして大工になりたいという小さな頃からの夢が叶ったのに、周りの人々から失敗を責められて落ち込むハンヅ、いつも泣き出しそうで気弱な表情が、最初から最後までどこか放っておけない存在。それでもあきらめきれずに大工の仕事を探し続ける芯の強さも垣間見せるハンヅに、後半は大逆転の奇跡が待っています!
「だましえだいく」なんて名前だけ聞くとワクワクしちゃうけど、自分が住む家を建ててもらうのは勘弁してほしいかなぁ。それとも「こんな家にぜひとも住んでみたい!」なんて物好きさんも、いるでしょうか。 どちらにしても、絵本の中だったらこんなへんてこりんな家を一緒につくったり不思議な街に住んだりできちゃうんですから、子どもから大人まで、楽しまなくっちゃ損ですよね!
(竹原雅子 絵本ナビ編集部)
ある大工のまわりで、おかしなことが。矛盾が起こる柱や梁、循環はしご、途中で消える柱。すぐにクビになりますが、火事の現場に出くわして…。ストーリーを読んで楽しめ、だまし絵を見て楽しい、2倍楽しめる絵本!
青山さんといえば、背景が細かくてすっごくきれい。
うちの兄ちゃんは「たのしいたてもの」が大好きでずっと眺めてました。
で、新作は「だましえだいく」です。
だまし絵?だまし絵ってあの…だまし絵だよね?
でもだいくって?大工でだまし絵って???タイトルから謎です。
新米大工のハンヅ。彼のいるところ、彼の作るものは
なんだかおかしなことになってしまいます。
そのうちに、「だましえだいく」って言われてしまい、
仕事ができなくなってしまいます。
話もなんだか面白いんですが、建築現場やなんかが
「え〜!何これ〜!!」って怪しいところを探して大さわぎ。
確かに、2倍楽しめます。
どうしてもわからない人向けに、巻末にヒントが載ってるところなんて
もう優しいぃ〜!!
次男も目をキラキラさせて「だまし絵」に見入ってました。
ハンヅ君の作った家に住みたいか?いや、遠慮しま〜す! (わにぼうさん 40代・ママ 男の子10歳、男の子6歳)
|