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はしの

パパ・40代・神奈川県、男15歳 女13歳

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自己紹介
高校1年生の男の子と中学2年生の女の子の父親です。
好きなもの
音楽を聴き、そして演奏すること、そして本を読むことが好きです。
特に、「子どもの本」が好きです。絵本も好きですが、児童文学やヤングアダルトが特に好きな分野です。
ここでは、絵本に絞ってレビューを書いています。
ひとこと
会社員にもかかわらず、40を越えてから、保育士の資格を取得しました。将来は、もっと子どもに近い仕事をしようと思っています。子どもたちの笑い声や彼らの感性をいとおしく思います。そのような想いを私に伝えてくださった、新澤誠治さんと佐々木正美先生が大好きです。

はしのさんの声

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ふつうだと思う 手のひらにちょうをのせたような気持ちです  投稿日:2010/08/21
ちょうちょ
ちょうちょ 作・絵: ミック・インクペン
訳: 角野 栄子

出版社: 小学館
「大人も読みたい」絵本シリーズの第二弾だそうです。

大人も読みたいというより、大人のために作られた絵本のような気がします。ただ、どんな大人でも良いわけではなく、「女の子」や「少女」の気持ちを忘れていない人だけが、昔に戻ることのできる、そんな絵本だと思います。

手のひらサイズで、文章と絵がぴったりとあっています。ちょうちょと少女の成長をかさねあわせたストーリーです。

難しい字にはルビがふってあるので、かわいらしいものが好きで、早く大人になりたいなって思っている、小学校5、6年生の女の子にもぴったりかもしれません。
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自信を持っておすすめしたい 解釈が難しい……  投稿日:2010/08/18
あおいくも
あおいくも 作・絵: トミー・ウンゲラー
訳: 今江 祥智

出版社: ブロンズ新社
どう解釈すれば良いのか、とても迷いました。

ほかのくもが何をしても気にしなかった小さなあおいくもが、大きくなるにつれ、世界中のことが知りたいと思うようになります。
ある日、色の違う人間たちが互いに殺しあっているところに出くわします。あおいくもは「決心」して、自分がなくなってしまうまで雨をふらせます。雨にぬれた人々はみんなあおくなり、なごやかにくらすようになりました。

一読すると、めでたしめでたしのお話なのですが、どうしても気になることが2つあります。

一つは、みんなが青い人間になったから戦争をやめたかのように読めることです。
あおいくものなかを通り抜けて青くなってしまった飛行機を掃除している場面からも推察されるように、あおいくもがつけた色は洗い落とせるようです。そうなると、戦争をしていた人たちも、いずれはもとの白や黒や赤や黄の人間に戻ることになります。ですから、人間が戦うことをやめたのは、肌の色が違うことで争うのはアホらしいと気づいたからでしょう。それをきづかせてくれたのが、あおいくもなのです。

もう一つ気になるのは、なぜあおいくもは自分がなくなってしまうまで雨をふらせたのかということです。肌の色の違いで争っているくだらない人間のために、なぜ自らを消してしまう「決心」をしたのでしょうか。
「すきなように すきにいきていて、ほかのものが なにをしているのかなんて、ちっとも きにしなかった」あおいくもだからこそ、人間の自由や命を奪う「このひどいやりくちに おどろきあきれて」しまい、そのまま戦わせておくことが許せなかったのではないでしょうか。誰かのためではなく、自分の心が何もしないでいることを許さなかったのだと思います。

フランスで生まれ、二次大戦中はドイツ占領下で暮らしていたトミー・ウンゲラーのことです。自由の大切さや戦争の悲惨さ、虚しさを知らないはずがありません。
さっと目を通してしまうだけだと、肌の色が同じになったから戦争がおわり、雲は人間のために自分を犠牲にしたと読んでしまいそうです。そうなると、この絵本の評価は「あまりおすすめしない」になります。でもこのお話は、そういうことを表しているのではないと思います。

子どもに安易に読んではいけないと思いつつも、実は子どもたちの方がこの絵本の本質を読み取ってくれそうな気もします。どう扱ったら良いのか迷ってしまう一冊です。
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自信を持っておすすめしたい 読めば読むほど楽しくなります  投稿日:2010/08/15
ないしょのおともだち
ないしょのおともだち 作: ビバリー・ドノフリオ
絵: バーバラ・マクリントック
訳: 福本 友美子

出版社: ほるぷ出版
とてもステキな絵本です。
どこがステキかって言うと、

 ・人間の女の子とネズミの女の子が友だちになること
 ・二人が相手に会うために、同じ合図を送ること
 ・ネズミの家の玄関まで描かれている緻密な絵
 ・実は二人が同じような生活をしていること
    :
    :

この本を読んだ子どもは、読めば読むほど、絵のなかからいいろいろなものごとを発見することでしょう。
そして、ますます女の子とネズミとの関係をうらやましく思い、自分もネズミの友だちが欲しいと、家の中を探してまわるでしょう。
それくらい思い入れてしまう絵本です。
だから、手元に置いておきたい!そんな一冊です。
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なかなかよいと思う 犬が欲しい!  投稿日:2010/08/14
こちら動物のお医者さん(1) 子犬おおそうどう
こちら動物のお医者さん(1) 子犬おおそうどう 作: ルーシー・ダニエルズ
訳: 千葉 茂樹
絵: サカイ ノビー

出版社: ほるぷ出版
マンディは動物が大好き。でも両親が動物病院の獣医さんなので、自分で動物を飼うことを許されていません。そのかわり、病院にやってくるいろいろな動物たちが彼女のお友だちです。

今回は、ラブラドールの子犬たちのお話。子犬の様子がいきいきと書かれているので、犬が欲しい!と思っている子どもが読んだら、ますます欲しくなってしまうことでしょう。食べ物のことやトイレのしつけのことも書いてあるので、動物を育てる大変さもわかってくれると思います。

興味深かったのは、自分のペットを連れてきて良いという『ペット・デイ』。ただ連れてくるだけでなく、みんなのまえで紹介します。マンディは9歳の小学生。この頃から、人のまえで話すトレーニングがされているのですね。大好きなペットのことであれば、話しやすいですよね。

この本の挿絵を描いているのは、サカイ ノビー さん。カタカナだったので作者と同じイギリスの方かと思っていたのですが、日本の方でした。イギリスというよりもアメリカっぽい(あくまでも私の感覚です)挿絵がこの本をより楽しいものにしています。

小学校中学年くらいの子どもたちに向いています。
文庫本より少し大きい程度の手のひらサイズ。一層、愛着がわいてきます。
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自信を持っておすすめしたい クラスのみんなで笑ってしまおう!  投稿日:2010/08/14
ゴハおじさんのゆかいなお話 エジプトの民話
ゴハおじさんのゆかいなお話 エジプトの民話 再話: デニス・ジョンソン‐デイヴィーズ
絵: ハグ‐ハムディ・モハンメッド・ファトゥーフ ハーニ・エル‐サイード・アハマド
訳: 千葉 茂樹

出版社: 徳間書店
エジプトというとピラミッドやスフィンクス、大昔に使われていた暗号のようなヒエログリフ。そんなイメージしかあたまにうかばない私には、「エジプトの民話」と言われても、いったいどんなお話かピンと来ませんでした。それどころか、エジプトに民話があるのか、と驚いてしまいました。まったく、失礼なことです。

どこの国のお話かを知って読むことも大切ですが、この本を手に取った子どもたちは、「エジプトの民話」という文字ではなく、表紙に描かれた?鳥(ガチョウ)たちに囲まれて、ちょっと困った顔をしているおじさんに興味と親しみをもつことでしょう。

「描かれた?」と書いたのは、実はこの本の絵は、すべて布なのです。さまざまな色の布を縫いあわせて作られています。どれもお話にぴったりの美しい挿絵になっています。

ちょっととぼけたゴハおじさんは、いろいろな出来事や事件をユーモアやとんちや切り抜け、勘違いですり抜けて行きます。どのお話も楽しいものばかり。小学校低学年から読めると思いますが、できることなら、読み聞かせや素話で、クラスのみんなで笑いながら聞いて欲しいものです。
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自信を持っておすすめしたい 大人が読んでも面白い、本格ミステリー  投稿日:2010/08/03
シノダ! (5) 時のかなたの人魚の島
シノダ! (5) 時のかなたの人魚の島 作: 富安 陽子
絵: 大庭賢哉

出版社: 偕成社
『シノダ!』シリーズの第5弾。『ムジナ探偵局』シリーズが7巻まで刊行されていますが、それに次ぐ刊行数のシリーズになりました。

『ムジナ探偵局』シリーズは、どちらかというと中学年向き。『シノダ!』シリーズは、高学年向きと分けることもできますが、『シノダ!』には、しっかりルビがふってあるので、『ムジナ探偵局』で謎解きに興味をもった子どもならば、『シノダ!』を読んでみると良いでしょう。

しかし、この『シノダ!時のかなたの人魚の島』は、今までとは異なりファンタジーというよりもミステリーと呼んだ方が良いでしょう。かなり力の入った作品です。

キツネのお母さんと人間のお父さんから産まれた、子どもたちの不思議な能力を使って問題を解決していく、これまではファンタジーに近い物語でしたが、『シノダ!時のかなたの人魚の島』では、子どもたちの能力よって解決していくのではなく、長女のユイが中心となって、自分たちのアタマで推理しながら、ある南の島に残る伝説の謎を解いていきます。本格ミステリーと言っても良いと思います。

ファンタジーからミステリーへ、子どもたちの選択の幅を広げてくれる1冊になるかもしれません。
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なかなかよいと思う 先生、うんこヒーローになって!  投稿日:2010/08/03
うんこいってきます!
うんこいってきます! 作・絵: スギヤマカナヨ
出版社: 佼成出版社
学校でうんこをすることは、子どもたちにとって大きな問題です。私もなるべくうんこはしなようにしていたとおもいます。生理的な現象なのだから、恥ずかしがらなくて良いと思うのですが、この『うんこいってきます!』に書かれているとおり、うんこに行ったことがばれると、からかわれたり、いじめられたりすることがあるんですよね。

この絵本の主人公のように、さりげなく「うんこいってくる」って一度言ってしまえば、次からは気持ちが楽になると思うのですが、果たして現実はどうなのでしょう。
本人にとっては切実な問題なので、意外と「うんこいってくる」と言えるまでの道程は長いかもしれません。

少しでもこの本を読むことで、子どもたちが解決のヒントをつかんでくれると良いと思います。
ただ気をつけて欲しいのは、何の考えもなく、先生がこの絵本を読んだだけで終わらせてしまうと、状況を悪化させるだけのような気がします。綿密に指導案を作っておく必要があると思います。

見返しには、たくさんの料理の絵。おそらく給食のメニューなんでしょうね。子どもたちが、学校のトイレでうんこがしたくないがために、給食のお変わりを我慢しているとしたらかわいそうなことです。

そしてさらに裏表紙には、「うんこヒーロー」のコスチュームが解説されています。なかでも「うんこキャップ」と「トイレットマント」が良いですね。大人の私も欲しいくらいです。
是非、先生に「うんこヒーロー」になってもらいたいものです。
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なかなかよいと思う 子どもたちが楽しく学べるオノマトペ  投稿日:2010/08/03
もじもじさんのことば劇場 オノマトペの巻
もじもじさんのことば劇場 オノマトペの巻 作・絵: 西村 敏雄
出版社: 偕成社
擬音語や擬態語をあらわす「オノマトペ」。

そもそも、なぜ擬音語や擬態語を「オノマトペ」と呼ぶのか不思議ですよね。調べてみると、なんと英語でした。擬声語を意味する onomatopoeia(オノマトペア、オノマトピア)の訳語だったんですね。
英語を話す外国人が「オー マイ ゴッド オノマトペ」「イエス イエス オノマトペ」なんていう会話をしていたら、ちょっとおもしろいですね。

『もじもじさんのことば劇場 オノマトペの巻』には、耳慣れたオノマトペがたくさん解説されています。

例えば、「ぱんぱん」なら、右側のページに「おいしいパンを たべすぎて おなかがぱんぱんだ」という例文が書かれ、その左下に小さな文字で「はれつしたら音がしそうなくらい、ふくれあがったようす。」と「ぱんぱん」の意味を解説しています。
そして左側のページには、例文にあわせた絵が描かれていて、その絵の下に「パンやで パンダが パンたべた」と絵のタイトル?が書かれています。その絵とタイトルは、かなりベタなダジャレとナンセンスなものですが、個人的には、もっとおやじギャクを爆発させても良かったのではと少々物足りなさが残ります。

読んでるだけで楽しくなるこの絵本は、子どもたちが「オノマトペ」を最初に学ぶのには、最適な一冊です。
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自信を持っておすすめしたい ブックトークをやってみよう!  投稿日:2010/07/25
今日からはじめるブックトーク
今日からはじめるブックトーク 出版社: 少年写真新聞社
絵本ナビで紹介するのが適当かどうかわからないのですが、小学校で読み聞かせをされている方も多いでしょうし、これだけ丁寧に「ブックトーク」について書かれた本はないと思うので、取り上げることにしました。

ブックトークとは「あるテーマを軸に数冊の本を順序立てて紹介すること」です。そして、その目的は「子どもに本に対する興味を持たせ読書のきっかけ作りをすることです。」

例えば、テーマが「おいしいもの大好き!」のときには、この本の著者である司書教諭は、『ゼラルダと人喰い鬼』や『ざぼんじいさんのかきのき』、『ねずみのとうさんアナトール』ほか数冊の絵本を選んでいます。

低・中・高学年のグループ毎に、全部で21テーマが用意されています。
小学校で読み聞かせをやられている方などには、テーマ毎にどのような本が紹介されているか、参考にするだけでも一読の価値があると思います。(ざっと数えて、300弱の本が紹介されていると思います。)

授業の流れに沿いながら、「ブックトーク」の指導方法をわかりやすく解説しているので、ブックトークをやってみたいと思っていた方にはピッタリの本です。
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自信を持っておすすめしたい こんなみずまきがしたい!  投稿日:2010/07/22
新装版 みずまき
新装版 みずまき 作・絵: 木葉井 悦子
出版社: 講談社
まず表紙に占める「みずまき」というタイトルの文字の大きさに圧倒されます。その大きな文字に向かって、少女が挑むようにホースで水をかけているかのようです。

みんなが昼寝をしているところに、少女がやってきて「にわのみなさん おきおてください。 あめだぞ あめだぞ。」とホースの水を庭じゅうにぶちまけていきます。

なめくじは「たぴ たぴ たぴ たぴ」と、ぼうふらは「きゅる きゅる きゅる きゅる」と、あおむしは「しゃく しゃく しゃく しゃく」と庭にいた虫や鳥や動物たちのうえに水がまかれていきます。少女が声をかけた「みなさん」は人ではなかったんですね。

どのページも、大胆な筆づかいと鮮やかな色彩で描かれていて、水をかけている少女が発するエネルギーがそうさせているかのようです。でも注意して見ると、いろいろな場所に生きものがいることがわかります。また少女もいろいろな表情をしていて、作者が細かいところまで気を配っていることがうかがえます。

水をかけ終わって、浴衣とうちわで涼んでいる少女の姿に、こういう夏を子どもたちに体験させてやりたいと思わずにはいられません。

25cmくらいの大判で、遠目もききます。
これを読んだら、子どもたちはみな、みずまきがしたくなるでしょうね。
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