「マドレーヌ」シリーズのベーメルマンスにこんな可愛い男の子と汽車の絵本があったんです! 舞台は赤道直下の国、エクアドル。高くそびえるアンデス山脈のふもとを走るのが小さな赤い機関車「キト号」。 そしてその列車に強く憧れる小さな男の子の名前は「ペドロ」。ペドロは毎朝庭から汽車が通り過ぎるのを眺めるのです。しゃべれる言葉はただひとつ「ダダダダ!」 ある朝、お姉さんのカルメラにおぶられて駅に着いたペドロ。そして、カルメラがオレンジを売っている間になんとひとりで汽車に乗ってしまうのです! 「ダダダダ」しかしゃべらない、大きなぼうしとあかいポンチョ姿の小さな赤ちゃんが大冒険に出発してしまいます・・・。 このお話は訳者のふしみさんの素敵な後がきの通り、ベーメルマンスがエクアドルの旅行をして、キト号に乗り、現地の人なつっこく親切な人々に会い、エクアドルが大好きになりこのかわいらしい絵本をつくったそうです。アンデスの空気がたっぷり感じられるおおらかで魅力的な絵本になりました。1938年につくられたお話です。 とにかくマドレーヌに負けず劣らずキュートな姿のペドロ。小さな子供が好奇心たっぷりでびっくりさせられるのは万国共通、アンデスのふもとを走り抜ける汽車「キト号」の姿に男の子は大喜びするだろうし、土色の力強い絵が異国情緒たっぷり。おすすめポイントたっぷりの一冊です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
昔の物語。子どもたちも汗を流しながらせっせとトウモロコシ畑で働いていました。ところがふとしたきっかけで列車に乗ったことから……。
マドレーヌシリーズの作者ということで興味を持ちました。単色でシンプルに描かれているのですが、躍動感があって、情景が浮かんでくるようです。
エクアドルにあるアンデス山脈、そこに広がるジャングル。そこを機関車キト号が走っています。
いつもトウモロコシの番をしている小さな男の子ペドロは、お姉さんが目を離した隙にキト号に乗ってしまい、そのまま旅をすることに。
ペドロは自分の名前も言えないくらいちいさいのに、知らない人ばかりの車内で、泣きもせずに長旅できるしっかり者。頼もしいです。
そしてお世話する車掌さんがまた、やさしくて素敵。車掌さんとペドロのお別れのシーンは格別です。
今は絵本ナビショップでも他の本屋さんでも手に入らないよう。今は図書館で読むしかないのだけれど、この絵本欲しいです。 (クッチーナママさん 30代・ママ 女の子9歳、女の子6歳、男の子3歳)
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