「いーよ」しか言わないやさしいイーヨと 「やーよ」しか言わないひねくれもののヤーヨ。
ふたりはとても仲良し。 一緒のお家に住んで 庭でたくさんのお花を育てています。
ある時、お花をもらいに動物たちがやってきました。 ヤーヨはもちろん「やーよ!」と言って追い払います。 イーヨはもちろん「いーよ!」と言ってお花をあげます。 すると、お花をもらいに次から次へと動物たちがやってきて あっという間にふたりのお庭のお花はなくなってしまいました。
「イーヨのおひとよし。もうやーよ!」 そういうと、ヤーヨは怒って家を出て行ってしまいます。 心のやさしいイーヨはどうしたらいいんでしょう? ひねくれもののヤーヨは本当にひねくれものだったのでしょうか?
まったく正反対のふたりが繰り広げるちょっぴり考えさせられるお話。 可愛らしいお花たちが咲き乱れる中に佇む印象的なイーヨとヤーヨ。 台詞がそのまま名前となった対照的なふたりをチャーミングに描いたのは、イラストレーターのささきまゆさん。 この絵本と同時発売の『ちょっとまって』の2冊が、絵本としては初めての作品になります。 「いーよ」ばっかりでも「やーよ」ばっかりでもだめなんですね。 大人にも思い当たるふしがありちょっと気にかかるこのテーマ、子どもはどう感じるか気になる絵本です。
(富田直美 絵本ナビ編集部)
イーヨとヤーヨは正反対。でも、とっても仲良し。お花が大好きで、大切に育て ながらふたりで暮らしています。 そんなふたりのところへ、お友達がお花をもらいにやって来ましたが・・・。 手描きの温もりが伝わる、優しい絵本です。
まんまるの目にながい耳をもつふたり。
最初に目についたのは何とも言えない間の抜けた表情のかわいらしい2人でした。
やわらかで可愛らしい絵に癒されましたが、お話は骨太で考えさせられます。
仲良しだけど性格は真逆の2人。
イーヨはお人好しでお友達も多いけど、大切なお花をみんな失います。
ヤーヨは厳しい性格ゆえにお友達もやってきませんが、お花を大事に守ります。
一見するとイーヨの方が優しくていい子に思えますが、
ヤーヨはイーヨをちゃんと叱り、わざわざお花を摘みに行ってくれます。
イーヨのお人好しな性格をちゃんと理解しているからこそ、ヤーヨは誰にもお花をあげないで守ってくれていたんじゃないでしょうか。
空気を読んだり、角が立たないように周りに合わせることを強いられるこのご時世。
必要なのはイーヨのような優しい気持ちだけでなく、ヤーヨのようにきちっと断れる勇気だと思いました。それがヤーヨの優しさ、強さなんだと思いました。 (千葉にゃんさん 20代・その他の方 )
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