ある日、ひつじが町を歩いていると、「オオカミキケン!」のはりがみを見つけました。ひつじは、「ほんとうかな?」と思いました。なぜなら、お母さんは「うわさをしんじてはいけないよ」と、いつも言っているからです。
「わからないことは、自分でちゃんとしらべるんだよ」お母さんのことばを思い出したひつじは、赤い手帳をとりだし、オオカミについて調べることにしました。犬のおまわりさんややさしそうなぶたさん、ヤギのおじいさんに聞いてみると、みんながオオカミをきらっていました。「オオカミがキケンかどうかわからない。ただ、とてもきらわれている……」ひつじは手帳にかきました。▼家ではお母さんがごはんをつくってまっています。「ママのつとめはぼうやにごはんをつくること。ぼうやがおおきくなるように」お母さんのくちぐせです。そして、ひつじが玄関のドアを開けると……?
予想外の展開が楽しいユーモア絵本。
題名に似合わない、キュートな表紙絵のひつじが主人公。
「オオカミ キケン!」の張り紙を見たひつじは、
「噂を信じてはいけない」「わからないことは自分で調べる」という
お母さんの言いつけを守り、その真相を探ります。
そのつぶらな瞳が、無垢な性格そのもののようです。
すると、意外にみんなの思い込みに過ぎないことがわかるのですね。
そして、お母さんに報告しようと帰宅すると、急展開!
こ、これは、かなり衝撃的です。
前半でも、思い込みという、深いテーマを考えさせますが、
後半は、別の意味で深いです。
小学生から大人まで、深く考えさせてくれる作品です。 (レイラさん 50代・ママ )
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