おかあさんにしかられて、くらくなった夜の公園に集まってきた3びき。 ヤギのやぎえちゃんは、「おねえちゃんなんだから、がまんしなさい」と言われて。 クマのくまたろうは、弟の頭をなでようとしただけなのに「いたずらするなー」とこづかれて。 タヌキのぽんたは、手を洗わないでいたら、おやつをもらえなくて。 ぷーっとふくれた3びきは、「ちえっ」「ふーんだ」と、枝を振り回したり缶を蹴とばしたり…。 そのうち3びきではしゃぎながら夜道を歩き出します。
「うるさいぞ!」と近くの家からどなられても平気。 「らくがききんし」の貼り紙も、やぎえちゃんが食べちゃうから平気。 強くなった気分でうろうろしていた3びきですが、 ある一軒家からおかあさんの子守歌がきこえてくると……?
おはなしが持つ力を大事に絵本づくりをしていこう、という出版社の思いがこめられた「おはなしえほん」シリーズの一冊です。 たかどのほうこさんが、カラ元気で、いばって浮かれ気分の子どもたちが、ふくらんだ風船からぷしゅっと空気が抜けるようにおうちへ帰りたくなってしまう姿を描いています。
おはなしに引きこまれ、しかられた3びきの気持ちになって読んでいると、しだいに月夜にまぎれこんでいる気分になってきます。 岡本順さんが描きだす繊細な画面が、夜の空気と、おうちに帰りたくなる里心をそそります。 どのページにも月夜らしい影がついていて、やぎえちゃんやくまたろう、ぽんたのあとをついてまわります。
体は大きくなってきたけれど、まだまだおかあさんから気持ちは離れない。 そんな子どもたちのために読んであげたい絵本です。 『つきよのさんびき』を読んで、今夜は子守り歌を歌ってあげようかな。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
くまたろうと、ぽんたと、やぎえちゃんは、お母さんにしかられて家を出てしまいました。 「おっかーなんか、しーらない!」 ふくれた3びきは夜道をいたずらしながら歩いていきます。 塀に手形をつけたり、紙をむしゃむしゃ食べたり…すっかりうかれ気分です。 でも、窓から子守唄が聞こえてくると…。
ふくれた気持ち、うかれた気持ち、いばりたい気持ち、しゅんとした気持ち…子どもらしいさまざまな心情をいきいきと描きます。
たっぷりとおはなしの世界を味わえる「童心社のおはなしえほん」シリーズ。 子どもたちの想像力が広がります。
くまとやぎとたぬきの子どもが些細なことで
お母さんに叱られて家出してきました。
三人はぷーとふくれたり泣いたりしていましたが
悪ふざけをはじめます。
お母さんのところに帰りたくなるきっかけになったページは
すてきでした。
絵がとてもかわいかったです。 (capellaさん 60代・じいじ・ばあば )
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