庭の桜の木のそばに、小さな穴を見つけた。この穴の中には、きっと何かいると思うんだ。ネズミかな? カエルかな? それともドラゴン!? ひとつの穴から想像力がぐんぐんふくらむ絵本です。
「この穴に、何がいると思う?想像してごらん」と言われて、これだけの発想をすぐにできる人はいないでしょう。
まるで、お手本のような想像力。
自分で見えている地上の世界がすべてではないということ、それを直感的に分かっていないとできない。
「見えていない部分」をこれだけ楽しそうに表現していることろがこの作品の良いところ。
と同時に、「何か分からないものに近づく勇気」も描かれている。世界は混とんとしていて、未知のウイルスの恐ろしさを嫌と言うほど経験した大人にとっては、「勇気」は必ずしもポジティブなものではなくなったよな、とも感じました。 (だっこらっこさん 40代・せんせい 女の子9歳)
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