あかちゃんの好きなキャラクターを使って絵本を作りたい。」そんな想いから企画されたのがこの絵本です。
あかちゃんが好きな絵本とされるものの多くで原色が派手に使われています。たしかにあかちゃんは原色をよく見ますが、実はそれは視覚の発達の影響が大きく、好きかどうかとはあまり関係がありません。
そこで私たちは、あかちゃんに審査員になってもらい、キャラクターの人気投票をしてみることにしました。
帽子からいろいろなものを取り出してみせるのが得意な見習い手品師というテーマで描かれたキャラクターを2つずつならべ、あかちゃんがどっちを長く見つめているかを調べ、人気No.1を選び出したのです。
あかちゃんの視線の見つめる先をアイトラッキングという技術で追いかけ、少し専門的な統計処理をして出てきた結果はなんと、お父さん、お母さんの投票とはまったく逆のものでした!
---------- 著者からのメッセージ
実際のあかちゃんにきいて作った、あかちゃんが本当に「好きな」絵本です。
これまで、あかちゃんのための絵本、あかちゃんの好きな絵本と言われてきたものは、“親が思う”あかちゃんが好きそうな絵本であって、あかちゃん自身が本当にその絵本が好きかどうかをきちんと調べたものではありませんでした。
私たち東京大学あかちゃんラボとディスカヴァー・トゥエンティワンは、これまで積み重ねてきたあかちゃん学研究の見地と豊富な本作りの経験を活かし、本当にあかちゃんが好きな絵本・あかちゃんと一緒に楽しめる絵本を作りたいという想いから、あかちゃん学絵本プロジェクトを立ち上げました。
あかちゃんの研究をしていると、「あかちゃんって明るい色が好きなんですよね?」とか「丸い形が好きですよね?」とかいった質問をよくされます。しかし、あかちゃんは大人が思っているほど単純ではありません。大人が思うあかちゃんの「好き」は、あかちゃんにとって「嫌い」かもしれません。あかちゃん学絵本プロジェクトは「あかちゃんの立場」を尊重して、あかちゃんが本当に「好きな」絵本を作ることがもくろみです。
まだ言葉を話すことができないあかちゃんの好みは、どのようにしたら知ることができるでしょうか? このプロジェクトのなかで私たちは、月齢8-13ヶ月のあかちゃんに協力してもらい、選択注視法を用いた実験を行いました。選択注視法というのは、複数の刺激を同時に提示し、どれをより長く注視するかを測るというものです。複数のイラストのなかでどれが長く見られるかをチェック、最後に統計的な処理をすることであかちゃんの好みを明らかにしました。
色鮮やかで、とてもかわいらしい絵本でした。
「うるうるうるしー」という呪文のような言葉を唱えると、シルクハットの中からいろんなものが飛び出します。
4才になっても、このタイプの絵本は好きなようで、図書館で息子が読んでいました。
ゾウや花火など、ちょっと意外なものがシルクハットから出てくるので、プレゼントやファースト絵本にはいいかもしれません。 (ちびっこおばちゃまさん 40代・その他の方 男の子4歳)
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