▼ 絵本とあわせて欲しい♪「からすのパンやさん」や「だるまちゃん」、「どろぼうがっこう」など。 >>かこさとしグッズはこちら
物語絵本、科学、天体、社会関係の知識絵本、紙芝居など多岐にわたり600作以上の作品がある絵本作家・かこさとし氏の、小学校卒業時の絵日記。 かこさとし氏は1926年生まれ。小学校卒業時は1938年、時代は戦時色につつまれてくるキナ臭い状況のなか、小学生時代の生き生きとした思い出がつづられている。小学生時代をまとめるよう担任からいわれ、みんなは数枚の作文を書いていたが、原稿用紙を何十枚も使って書いた氏の日記には挿絵もたくさんあり、本のようにきれいに綴じられている力作で、後の絵本作家を予見するようなオリジナリティにあふれている。あわせて当時のエピソードを聞き書きしたものを加えてまとめた、絵日記再録。
断捨離で一番難しいのが、思い出の品ではないだろうか。
写真や本でさえ処分するのがやっかいなのに、思い出の品はそれ以上だ。
小学校の卒業アルバム、その頃の通知書、あるいは夏休みに描いた絵画、・・・。
整理しようとまるで開けてはいけないパンドラの箱を開いて、へえこんなものが残っていたよと見るぐらいが関の山なはずなのに、捨てることができないのは、それらが思い出の品だからだろう。
もし、あなたのところに小学校の卒業文集があったら、どうしますか。
絵本作家のかこさとしさんが92歳で亡くなったのが今年(2018年)5月2日。
かこさんが小学校卒業のときに書いた絵日記(というより六年間の歩み)がこうして本になったのが今年の3月で、なのでこの本に付けられた著書略歴には没年がない。
まさにかこさんが私たちに残してくれた、最後の贈り物といえる。
絵日記だからもちろん文は自筆で綴られているが、本としては活字で組まれるしかない。ただし、絵は小学6年生のかこさんが描いたものが使われている。
その絵のうまさに、さすが将来絵本作家として大成する素養を感じる。
しかも、表紙に描かれた自画像ともいえる少年の顔は、晩年のかこさんに、当然なのだが、そっくりなのだ。
活字となった絵日記の合間あいまに、晩年のかこさんの「思い出聞き書き」がはさまって、その時々の情景を補足している。
最後の「あとがき」には自身の父親のことを綴っているきっかけは、かこさんの父親がかこさんの小学生の頃の賞状などを写真で残してくれているのを知ったからだ。
思い出はこうして大切にされていく。 (夏の雨さん 60代・パパ )
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