たくさんのひとたちが にらみあって おこっている。 このくにから でていけと、おおごえで どなっている。 せかいのあっちでもこっちでも……。 女の子はテレビのニュースを見ていてこわくなりました。 「こんなのっていやだ。どうしたらいいの?」とおとうさんに聞きました。 すると、「いっしょにおいで」と、おとうさんは女の子を地下鉄の駅に連れて行ったのです。
憎しみあい、傷つけあう人々の姿を見て心を痛める子どもの気持ちを真摯に受け止め、態度で伝えるおとうさんとおかあさん。それが、悲しく固まっていた女の子の心を溶かします。 世界をすてきなところにするために、できることってなんだろう?
どんなちいさなことだって、それで世界も変わるはず。
少し観念的に過ぎるようにも思いますが、作者の願いがこもった絵本だと思います。
世界を憂えているよりも、世界を変えるためには、世界を知ること、自分の出来るちょっとしたことで、世界とつながることが大事だと、熱く語っている絵本です。
その先に幾つもの壁があるとは思うのですが、ひょっとしたら小さなつながりが拡がっていったら、出来るのかも知れません。
子どもたちの純粋な力に期待します。 (ヒラP21さん 60代・その他の方 )
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