日照りで水がなくなり、のどがからからになった森の動物たちは、水をさがしにでかけます。ようやく川を見つけますが、川の水をもらうには、ワニにいけにえを差し出さなくてはなりません。みんなはどうしたらいいか、話し合います。大きい動物たちの発言でいけにえにされかかったノウサギは、最後にあることを思いつき、みんなで水をのめるようになりました。
民話の宝庫、アフリカ。タンザニアで生まれ育った作者キラカは、村の人たちからさまざまなお話を聞いて書きとめ、それをもとに絵本をつくっています。今作には、前作『ごちそうの木』と同じように、日照りがつづいて困っている動物たちが登場します。今回のモチーフとなる「水」は、天候と結びついた暮らしをしているアフリカの人々にとっても大切なものです。タンザニアの民族画「ティンガティンガ」を学び、独自の画風を確立したキラカの絵本は、日本のほかにもスイス、ドイツ、スウェーデン、アメリカなど多くの国で翻訳出版されています。
擬人化された動物たちの結束の強さと脆さを感じる絵本です。
水不足で悩む動物たちは、ワニから水をわけてもらうために、誰かを生贄に差し出そうと相談し合います。
それまで仲が良かった動物たちの結束が崩れます。
そこに動物たちをねらうライオンが現れて話はさらに複雑になります。
共に生きることの難しさを感じる絵本です。
人間社会の風刺のように思える作品です。
動物たちの表情が何とも複雑です。
ワニから水を分けてもらうのではなく、みんなで井戸を掘ることを思いついて、動物たちは再び仲良く暮らし始めます。
井戸を掘ることを発案したのは、生贄にされかけたウサギだというところが、とてもシニカルです。
(ヒラP21さん 70代以上・その他の方 )
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