可愛らしいようだけど、なんだか不思議な風貌をした子がこちらを見て微笑んでいます。手にはまるくて美味しそうな果物を持っているみたいだけど……そこは、どこ? ちょっとだけ不安な気持ちになりつつ、絵本をめくってみます。
ゴンゴン星に住むスモンスモン。 朝になると、オンオンとロンロンをヨンヨンでつるし、 トントンで川をくだります。
ポンポンのそばではヨンヨンがのび、ロンロンがたくさん実っています。 スモンスモンはトントンにロンロンをつみこんで歩いていくと、 ストンストンを運ぶクロンクロンたちに出会い。
……え、なになに。 なにを言っているの? ロンロンってなに、ポンポンってどれ? ストンストンとクロンクロンって、いったいなんなの!?
いきなり頭が混乱してしまったあなた。 大丈夫です、私も同じ状態です。 特に、みっしりずっしりのストンストンが登場した時には、もう。
ところが、気を取り直してもう一度スモンスモンの世界に入ってみると。 奇妙な姿の彼らが愛らしくてたまらなくなり。 その素朴で優しい行動一つ一つに魅了され。 何度でも声を出して読むうちに、どんどんゴンゴン星のことがわかってきた気になって。 「あ、ゾンゾンにはきをつけて!」 ……すっかり虜です。
さあ、あなたものぞきたくなったに違いない「スモンスモンの世界」。 大人も子どもも関係ありません。どっぶり浸かってみてくださいね。 ドイツからやってきた、異彩を放つ注目絵本です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
ゴンゴン星にすむスモンスモンは,トントンにのってロンロンの実をもぎに出かけます.ところが,ゾンゾンに落ちてしまって,さあ大変! 助けてくれたのはクロンクロンたちでした.オノマトペで名付けられた生きものたちが,つつましやかに助けあう世界.奇妙で愛らしくて,一度見たら忘れられない絵本です.
ドイツ出身の作家による作品。
スモンスモンって何?と感じたら、もうこの作品の世界です。
どうやら、表紙の小人もどきが主人公。
のっけから、ゴンゴン星に住んでいます、と、異世界に連れ込まれます。
異世界ということで、出てくるアイテム、キャラクターが皆、オノマトペ語!?で説明されるから、
読み手も必死です。
不可思議な絵から読み解き、ああ、この実がロンロン、舟みたいなのがトントン、の状態です。
キノコの世界?
スモンスモンも首が伸びたり、もうカオスです。
でも、シュールの一歩手前というか、出会いや助け合い、分かち合いが
不思議にストンと、心地良いです。
もちろん、オノマトペ語が、文章にリズムを与えています。
小学生くらいから、読み解いてほしいです。 (レイラさん 50代・ママ )
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