忙しすぎて子どもと話す時間もない両親に、いつも寂しい思いをしている少女。ある日、家を出ることを決意し、森へむかいますが……。多感な少女の微妙な心のうごきを見事にとらえた秀作。
家出したいと思い込んでしまうほど、追いつめられた女の子の心の叫びが響いてきます。
忙しすぎる両親から相手をしてもらえない女の子の孤独感。
女の子は家出しようと、家を飛び出します。
自己弁護しながら、両親を突き放そうとしながら、目指すのは行ったこともない遠い森。
でも、森にたどり着いたら、もう一度自分の気持ちをわかってもらおうと、手紙を書くことにします。
手紙を書くために、家に戻らなければと女の子は思います。
女の子は寂しいのだけれど、家族にもっと相手をしてほしいのです。
今度は、帰りたいけれど帰り道がわからなくなってしまった自分に気づきます。
でも…。
最後のシーンでは、女の子は迎えに来てくれたお父さんに抱きかかえられています。
バンサンがみごとに表現した心象風景です。
同じ夢を繰り返して見なくて済むように、女の子の手紙が両親に届ければ良いなと思いました。
(ヒラP21さん 50代・パパ )
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