ぼくにとって、金曜日は特別な日! 金曜の朝はいつもよりも早く、パパといっしょに家を出る。 町のみんなが急いでいても、ぼくらはゆっくり、急がない――
お父さんと息子の、ささやかで大切な習慣を描いた一冊。 ふたりは決まって金曜日には、朝早くいっしょに家を出て、のんびり町を歩きます。 開いていない店も多い、まだ目覚めていない町並み。 金曜日を経るごとに大きくなっていく、建設中のビル。 雨の日も風の日も、欠かすことのない金曜日の約束。 そして、近所のダイナーに到着したふたりは、ゆったりと朝食を食べながら、いろんなことを話します。
本作は作者自身の体験を元に描かれています。 作品と同じように毎週金曜日には、近所のダイナーで息子とふたり、朝食を食べているという作者。 息子が3歳のころからずっと続いているその習慣のおかげで、ふたりとも金曜日がくるのをとても楽しみにしているそうです。
「みなさんも、わたしたちのように、ちいさな行事をつくってみてください、ぜひ」
そう語る作者の言葉こそが、この作品をおすすめしたい理由のすべて! 息子と過ごすふたりの時間を、作者自身がとても愛おしく思っているのが、ひしひしと伝わってくる作品です。 この絵本を読めば、このちいさな行事を、きっとマネしたくなりますよ。
(堀井拓馬 小説家)
きんようびは、ぼくとパパにとって とくべつなひ。 あさ、ふたりで ゆっくりと さんぽをして、 じかんをかけて あさごはんを たべながら、 いろんなことを おしゃべりする。 まわりがみんな いそいでいても、ぼくたちは いそがない。 ぼくは きんようびが だいすきだ。
いそがしい日常生活のなかで、ゆったりと同じ時間を楽しむための、親子の小さな行事。こんな時間を、見つけてみませんか。
この絵本、主人の母がプレゼントしてくれました。
きんようびはいつも、パパとお兄ちゃん2人だけで朝食におでかけ。
優しいパパである作者のダン・ヤッカリーノさんと息子さんの実話から生まれた素敵な絵本です。
「ぼく」が読者に語りかけるような文章は短めだけど、
絵から家族の暖かい雰囲気や朝の街の様子が生き生きと伝わってきます。
家には赤ちゃんがいて、お世話にまだ手がかかること。
パパはウインドーから離れられないような、ちょっと子どもっぽいところもあるみたい。
朝の空気感と街の人たちの様々な生活、表情。
「ぼく」のためだけの特別な時間があるって、大きな意味がありそう。
普段忙しいパパに急に「何か困っていることはないか」なんて聞かれたら話せなくても、
いつものパンケーキを食べながらだったら話せるかもしれない。
話せなくたって、パパに大切にされている「ぼく」を再認識して、また頑張れたりするんじゃないかしら。
子どもへの気持ちはあっても、どうしていいか分からないパパ達への
応援歌みたいな気もしてきます。
小さなことから、形にしてみませんか?と。
子どもに読み聞かせながら、照れ屋なパパたちに読んでほしい絵本です。 (ランタナさん 30代・ママ 男の子7歳、男の子4歳)
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