町を攻撃しようとすると、大砲の中でアヒルが卵を抱いていて撃てない。将軍は市長と交渉して卵がかえるまで休戦する。その間、兵隊たちは町のペンキぬりをし、将軍は市長の家に遊びにいく。やがて卵がかえると…。
何日もかかって大砲を一台だけもって、とある町の攻撃のために
やって来た将軍と兵隊たちに困ったことが起りました。
大砲の中にアヒルが巣を作って卵を産んでしまったのです。
どうやっても出てこないアヒルに業を煮やした兵隊が、
アヒルごと撃ってしまおうといいますが、将軍はべつの大砲を
借りてこようと提案し、敵である市長さんに大砲を借りに行きます。
挿絵を見ると強面の将軍ですが、何とも心根の優しいお方です。
大砲を借りに行く?敵に武器を借りに行く?
何回か読み直してしまったくらいです。
市長さんの提案も気が利いていて、
大砲は貸せないので、卵がかえるまで休戦しましょう、
となりました。
結局、暇な兵隊さんたちは町のために働いて、戦意喪失し
戦争はおしまいになりました。
この物語を読んで思うのは、軍隊を牛耳るトップの人達は戦争が
大好き。色々な名目をつけ、戦争を正当化するのです。
でも命じられて戦地に赴く人たちに好き好んで戦う人はいないのです。
命をかけるより、ペンキを塗ったり、ゆっくり新聞を読んだり
する方が、いいに決まっています。
でも、戦争をして得をする人達がいる限り、この世から戦争はなくならないでしょう。
戦争を指導している全ての人がこの将軍と市長の精神を少しでも理解
できれば、世の中ちょっとは変わるかな。 (たれ耳ウサギさん 40代・ママ 女の子19歳、女の子17歳、女の子15歳)
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