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虫や鳥はアイヌの人々にとって、予知能力を持ち、人々にそれを知らせてくれる身近な存在です。この絵本は、歌で津波の危険を告げたおばあさんが、津波で海に流され、地獄まで落ち、蝉に生まれ変わるという壮大な物語。
俳優の宇梶剛士さんのお母さんの作品です。
「古布絵(こふえ)」という、布にアイヌ刺繍などをほどこした
独特の手法で描かれています。
素朴でとてもあたたかみがあります。
表紙のセミが成虫になった姿は特に見事。
宇梶さんは60歳を過ぎてから制作に時間をさけるようになり、
この手法を編み出してから、自身がアイヌである喜びを実感でき、
心が解放されていったそうです。
昔話の内容は壮大でロマンがあります。
自然の力の神々しさを感じさせるお話です。
息子もじっと聞いてくれました。 (ちうやかなさん 40代・ママ 男の子13歳、男の子10歳)
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