フェリシモ出版の「おはなしのたからばこ」シリーズ32巻は、荒井良二さんのオリジナル絵本『モケモケ』。
「モケモケ モケモケ モケモケー モケモケー」 と、もこもこしたモケモケが集まってきた! と思ったら、次のページでは 「みる さわる モケモケー」と、色々なものを見たり触ったりするモケモケ。 どんなものを触っているの? ちくちくしそうなもの、濡れちゃいそうなもの、長いもの、硬そうなもの……それぞれのモケモケたちの表情や触り方を一つずつ見ていくと、どんどん新しい発見があります。 さらにページを進めると、「なめる かじる モケモケー」と色々なものをかじったり、「おもい かるい モケモケー」と色々なものを持ち上げてみたり。 そしてついに、「モケモケーーー」と大きくはじけたかと思うと、くっついてつながって、モケモケのロボットに。歩いたり踊ったり騒いだりしているうちにモケモケの夜は更け、また新しいモケモケの朝が始まります。 モケモケモケモケモケ―― 楽しいモケモケの絵本です。 ところで、「モケモケ」って一体何だと思いますか? それはぜひ、実際にページを開いて感じてみてくださいね!
(洪愛舜 編集者・ライター)
おもい かるい モケモケー おもい かるい モケモケー 頁をめくるたびに、遠い宇宙にいるような、それでいて不思議な懐かしさと幸福感に、心がざわざわします。 幼児の感覚世界に入り込んだ、荒井良二さん新境地の作。 赤ちゃんのある時期は、五感が未分化で、音に匂いを感じたり色を感じたりすることもあるようです。人が どんな感覚を残してどんな感覚と別れてゆくかが、自分でもわからない理由で何かを好きになったり選んだりする、 いわばその人の本質を形成してゆく根っこにあるのかもしれません。 「——もろ、感覚を扱ってみようと考えたのが、この絵本。 いろんな感覚が、あっちからやってくるわけですよ。で、散々遊んだあげく、いる感覚だけ残して、 入らない感覚はさよならーって、もう二度と会えない感覚とさよならするって絵本なんです」
(荒井良二さんより) 「モケモケ」というのは、感覚を表す荒井さんの造語ですが、赤ちゃんがきらきらと輝いているのは、 サヨナラする前のモケモケたちに包まれているからなのかもしれません。 そんな人間の宇宙にとびこんだ、壮大なスケールの絵本が生まれました。
モケモケー、モケモケー。
読み終えたあともしばらく
頭の中に「モケモケ、モケモケ」が残り
荒井良二さんの世界へ入ることができます。
登場するいきものの表情が豊かで
絵本を開くたびに新たな発見がある
飽きない絵本です。 (マドレーヌさんさん 30代・ママ 男の子3歳)
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