タンポポのわたげが、かがやきながら空を飛んでいきます。でも、とり残された3本のわたげちゃんは、はたして明日は飛べるでしょうか。いい風が吹きますようにと祈ります。
ぽっかぽかの春の暖かな日、ポットくんはうつらうつらとお昼寝です。やがて目を覚ましますと、タンポポのわたげちゃんが、きらきらかがやきながらゆっくりゆっくり飛んでいきました。わたげちゃんは、数え切れないほどたくさん飛んでいきました。ポットくんは、庭のすみのタンポポにわたげが3本飛べずに残っているのを見つけました。庭の親切な仲間たちのポットくんやミミズくん、ぶちのイヌやアリさんたちのアドバイスで、わたげちゃんたちが無事種子を根付かせるまでのおはなしです。飛ぶのもいれば、ポットくんのなかで芽を出すのもいれば、アリさんに運んでもらったり、ぶちイヌに運んでもらうのもいました。やがて季節は夏に移り、ポットくんの頭からタンポポの花が咲きました。どこも、ここも、真っ黄色の明るい夏となりました。
たんぽぽがいっぱい咲いている春にぴったりな絵本です。
たんぽぽのわたげさんたちがいろんな会話をしていて楽しい。わたげさんも飛び立つ時期とか、着陸する場所とか、希望や好みがあるんだろうなあって、想像したこともなかったけど、この絵本を読んだ後に、わたげさんたちを見かけたら、やさしく見守ってみようかなって思ってみたり。。。
わたげさんがとっても小さく描かれているので、遠目にはやや不向きかもしれません。親子でいっしょに読むのに向いていると思います。青い空白い雲、たんぽぽの黄色に、芝生の緑。すべてがあざやかにえがかれていて、すがすがしい思いになりました。ポットくんのやさしさにもふれて、心洗われます。 (けいご!さん 40代・ママ 女の子13歳、男の子10歳)
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