ねむいねむいねずみが、ゴロゴロと雷が鳴る雨のなかを旅しています。
ねずみはあまやどりのために、かべの穴へともぐりこみました。「どこまで続いているんだろう?」どんどん奥へと進んでいきます。
穴から出たそこは、どこかの家のなかでした。耳をすましましたが、だれもいないようです。ねずみはろうそくに火をつけて服をかわかしたり、ねずみとりに仕掛けられたチーズを食べようとしたり・・・・・・。そんなことをしている間に、なんだか眠くなってきました。床におちていたふわふわの手袋にもぐりこみ、ちょっとひと眠り。おかあさんの夢を見て、なんだかいい心地・・・・・・。そのとき、「バリバリバリ ダダーン!」雷がすごい音を立てて近くに落ちました。おどろいて勢いよく飛び起きましたが、ねずみはまだねぼけています。「わっ、ここはどこだ、目が見えない!」あわてているうちに、ガタッと何かにぶつかって……。
なぜだろう、こうしていつも、ささきさんの本にはひきつけられます。
ねずみくんが雨やどりをしようと入った家でのできごとが淡々と描かれているのに、楽しいんですよね、一こま一こまが。きっと、私たち読者が自然にねずみくんの視点で絵を見ているからかな。ねずみとりにであったり、おもちゃのトラックをこわしてしまったりというできごとが、まるでねずみくんと同じようにしでかしちゃった感じがするんです。不思議ですね。
ねずみくんがトラックに乗って、外に出る。また、旅の始まり。いつまでも、ねずみくんの旅を見守っていきたいなあ。 (けいご!さん 30代・ママ 女の子8歳、男の子4歳)
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