濃い紺色の夕闇の中で、三角屋根のおうちにあかりがつきます。 屋根の上に1匹、下に1匹のねこのシルエット。 「よるになったよ ほら おそらが くらい くらい」 「おや やねのうえが あかるくなった」 「おつきさまだ」 だんだん姿をあらわす、黄色くかがやくおつきさま。 もう1匹のねこも屋根にかけあがり、2匹の影はおつきさまを見あげます。 「おつきさま こんばんは」
目をふせて屋根の上に顔を半分だした、おつきさまの「いいおかお」といったら。 小さな絵本のまんなかに、本当に月がのぼったようです。 読んであげると、ページをめくるたびに、幼い子がいきいきと反応することにおどろきます。 雲に遮られおつきさまが泣きそうな顔をすれば、子どもも心配そう。 雲がいってしまえば、あーよかったとほっとします。 子どもは胸をときめかせて、おつきさまをながめ、「こんばんは」をするのでしょう。
今宵もまた、夜空を見あげれば、おつきさまに会える幸せ。 「こんばんは」「こんばんは」って互いにごあいさつする幸せ。 1986年発売以来、たくさんの子どもたちに支持されてきた本。 林明子さんの傑作の一つに数えられるあかちゃん絵本です。 裏表紙もかわいいですよ。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
空に浮かぶお月さまを、あかちゃんは不思議な生きもののように見つめます。そのお月さまや、お月さまの前を横切る雲とお話をするように描かれた傑作です。
ファーストブックはこの「おつきさまこんばんは」でした。
娘は0歳時代、絵本は全く興味を持ちませんでした。
かんだりなめたりと完全なるおもちゃと化してました。
それが、1歳過ぎたあたりからこの「おつきさまこんばんは」を読むと
とっても目をキラキラして
一緒にこんばんは!とお辞儀をしたり
ダメダメ雲さん!と首を振ったり
あーよかった!と笑顔振りまいたりで
娘がストーリーを理解してる!!と感激の絵本でした。
それからというものこの絵本が大好きで、朝から片手に持ち歩いては
「読んでー」とせがんきます。
ぐずって泣いてても、「おつきさまこんばんは!」とそっと耳打ちすると
泣き止んで、ダー!と絵本棚へ駆け寄りこの絵本を持ってきます。
あんなに興味なかったのが嘘のよう、いまでは絵本大好きっこになりました。
寝る前の絵本タイムは欠かせません。
すべてこの絵本のおかげです。 (ゆんちゃんママさん 30代・ママ 女の子1歳)
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